不動産屋を選ぶ際に押さえておきたい5つのポイント

不動産屋を選ぶ際に押さえておきたい5つのポイントとは

賃貸物件を探す際や持っている不動産を売買する際などにお世話になることが多い不動産屋ですが、聞きなれた言葉ではあっても具体的な業務内容やそれぞれの会社の実態などまではよく分からないものです。

 

不動産屋とは、一言で言えばその名の通り不動産を主に取り扱う会社のことで、賃貸物件をメインに扱っている業者もあれば売買を中心に行っている業者などスタイルは様々です。特に売買は単純な売り買いだけでなく、購入した不動産に自社でリフォームなど手を加えてから再度販売するなど幅広い営業を行っている業者も多く、さらに大規模な業務を行うデベロッパーなども不動産屋に含まれます。

 

実際には様々な業種を持つ不動産屋ですが、主な業務である賃貸と売買について不動産屋選びのポイントを押さえておきましょう

 

①対応地域・物件と得意分野

世の中には、ありとあらゆる場所に土地や建物が存在しています。それらには全て所有者が存在しており、不動産屋は所有者の希望に応じて売買を仲介したり、土地や建物を利用したい消費者への貸し出しを手伝ったりしています。基本的には不動産屋が存在する地域やその周辺の土地などを取り扱っているのですが、場所によっては1つの不動産屋が取り扱える範囲に限りがあることもあります。

 

不動産屋から何百キロも離れた不動産を取り扱っていても管理や仲介はできませんし、都市部などは土地や建物の数や種類が豊富でニーズも高いため非常に多くの業務が発生するためです。不動産屋は買い主や借り主である消費者だけでなく、不動産の所有者である売り主人とも常に連携を密にしておく必要があります。関係が希薄になってしまうとうまく物件を仲介できなくなりますし、何かトラブルが起きてしまった際にもスムーズに解決することができなくなってしまいます。

 

取り扱う不動産の範囲を広げすぎてしまうと、こういった様々な面でデメリットが生じてしまうことから、基本的には人手や距離などを鑑みて取り扱うエリアを限定しています。また、不動産屋が自社の利益を最大限に上げるためには、基本的に売り主や貸し主から直接仲介依頼をしてもらうことがポイントとなります。

 

このため地域に根差して認知度を高め、所有者から直接指名してもらって仲介契約を結べるように自社の縄張り的なエリアを作っておくという古くからの営業スタイルが維持されているのです。ただ、近年ではインターネットの発達もあって、不動産屋が縄張りばかりを意識するよりもお互いに消費者を紹介し合ったり情報交換を行う方が利益率が高くなるケースも多くなってきたため、不動産屋が共同で情報を利用できる指定流通機構など互換性を持ったシステムも普及してきています。

 

これにより、これまでその地域を縄張りとしてきた不動産屋しか取り扱えなかったような物件も、他の地域の不動産屋が仲介できるようになってきています。ただ、所有者としてはやはり地域に密着している従来の不動産屋の方が連絡や手続きなど便利なポイントも多いので、基本的にはその地域の不動産屋を選ぶ傾向にあります。

 

また、不動産屋とひと口に言っても、実はそれぞれの会社ごとに得意不得意の分野というものが存在しています。賃貸は得意だけど売買は苦手、管理が得意だけど開発や建て売りなどは苦手など様々な種類があるのですが、一見するとどこも似たようなもので見分けがつかないでしょう。

 

一般的にはデベロッパーなど大手の不動産屋は賃貸をメインとしており、中小規模不動産屋は土地や建物の売買がメインだと言われています。

 

どの分野が得意なのかは、各社のホームページやチラシなどをチェックして目立つ位置に取り上げられている物件のタイプを確認すると分かりやすいです。多くの不動産屋は取扱いに自信のある物件を大きく紹介しているため、こういったポイントを確認すると良いでしょう。

 

当然ですが、賃貸が得意な不動産屋に土地の売買を依頼したとしても、うまく営業や仲介を行えない可能性が高いので注意しておきましょう。

 

②免許番号と業界団体への加入

数ある不動産屋の中で、住宅用の土地や建物の売買、賃貸を仲介している業種は宅地建物取引業と呼ばれます。この業種を営む場合は国土交通大臣もしくは都道府県知事に申請して免許を受けなければなりません。無事に免許を受けることができると、免許番号というものが交付されます。

 

不動産屋の店内には宅地建物取引業者票が掲げられていることが多いですが、ここにその番号が明記されていますし、中には名刺に番号が記載されている不動産屋もあります。このポイントが確認できない場合、その不動産屋は無免許営業している可能性が高いので避けたほうが無難です。

 

免許には

  1. 大臣許可
  2. 知事許可

の2種類があり、免許を誰が与えたかによって区別されています。

 

この2種類の違いは、営業が可能な範囲に最も現れています。1つの都道府県で営業している場合は知事許可、2つの都道府県以上で営業するなら大臣許可となります。大手の不動産屋であれば大臣許可の免許を持っていることになりますし、地域密着型の中小規模であれば知事許可になっているはずです。免許そのものには優劣はなく、あくまでも単純に事業規模の違いによって分けられているというポイントを覚えておきましょう。

 

この業種の不動産屋は業界団体に多く加入しているのですが、その理由は情報交換や不動産取引におけるトラブルを相談するためなどが挙げられます。加入は任意なので未加入でも全く問題はないのですが、業界団体に所属していないと共同で利用できる指定流通機構のシステムが利用できないので業務の幅が狭まってしまいます。

 

中小規模の不動産屋はほとんどが加入していますが、全国展開しているような大手の不動産屋の場合はどの業界団体にも所属せず、自社のシステムやネットワークで営業を行っていることが多いです。

 

特定の不動産屋がどの業界団体に所属しているかは、国土交通省が提供する検索システムで簡単に調べることができます。免許を受けて営業している正規の不動産屋であれば番号や所属団体がシステムに登録されているため、気になる場合は一度検索してみると良いでしょう。

 

また、免許の番号には純粋な登録番号だけでなく免許の更新回数を示す数字も記載されています。

 

新しく登録した場合は1からカウントがスタートし、更新回数を重ねるごとに数字が大きくなっていきます。この数字が大きければ大きいほど長年にわたって正規に営業していることの証明となり、消費者としては安心して仲介を任せることができます。ただ、この更新番号は同じ免許権者で更新を行った回数を示しているため、一概に更新回数が少ないから実績がない不動産屋だとは言い切れません。

 

例えば、最初は小さな規模で土地取引などの営業をしてきた不動産屋が、事業拡大を目指して隣の県にまで取り扱いを増やした場合は、知事免許から大臣免許への切り替えが必要になります。ここで更新回数はリセットとなるため、どんなに長年の実績があってもまた1からのスタートとなってしまうのです。つまり、更新回数が多ければ多いほど実績を積んでいるのは事実なのですが、少ないからと言って信頼できない不動産屋だというわけではありません。

 

③仲介力の見極め

所有する不動産を貸し出したり売却したい場合、どこかの不動産屋へ仲介依頼する前に売却価格や賃料について査定を受けるのがポイントとなります。この時点で査定結果が高く出ると喜んでしまいがちですが、多くの不動産屋は自社に依頼してもらえるように査定額を相場より高めに出す営業スタイルを取っています。どんなに高額の査定額を出してもらったとしても、実際にその金額で土地や建物が売れたり入居してもらえるわけではないので、過度な期待は禁物です。

 

一度は高額の査定額で営業を始めても、しばらくしてこの金額では買い手や借り手が見つからなかったと報告してくる不動産屋が多く、結果的に相場以下にまで金額を下げるケースも散見されるので注意しておくべきポイントです。

 

不動産屋としても仲介を成立させないと仲介手数料を得られないため、あらゆる方法で営業をしかけてくるのです。周辺相場より高い金額でそのまま契約成立させられるとは最初から思っていないため、所有者としても慎重に査定結果や不動産屋の営業トークを受け止める必要があります。

 

こういった点から考えると、決して高い査定額を出すことはないものの、堅実に売却したり入居者を探せる査定結果をだしてきた不動産屋の方が信頼できる相手だと言えるでしょう。

 

土地や建物をスムーズに契約成立させるためには、仲介能力の高い不動産屋へ依頼することがポイントとなります。仲介能力の見極め方としては、まず販売経路を多く持っているかをチェックしましょう。インターネットやポスティング、指定流通機構など様々な販売経路に対応している方が買い手や借り手を見つけられる可能性が高まります。また、様々な手続きや報告について対応が早いかどうかも重要です。

 

実績が豊富で能力の高い不動産屋であれば、スピーディーに広告を出したり手続きを進めてくれます。買い手や借り手を多く見つけるためには、顧客情報やネットワークが充実している必要があります。指定流通機構以外にもそういった情報を持っているか、地域の不動産屋どうしで連携を取っているかなどもチェックしておきましょう。さらに、上述した内容にも通じますが土地や不動産の査定額にきちんと根拠を示せるか否かも重要です。

 

相場より高い査定額ならその理由、低い場合もなぜ低いのかなど理由をきちんと説明してくれる不動産屋の方が、誠実で仲介力にも信頼がおけるということになります。最後に、その不動産を担当してくれる担当者個人の能力や人柄などもチェックしておきましょう。どんな営業でもそうですが、担当者の能力次第で商品の売り上げが大きく左右されることも多いです。

 

不動産は一般の商品とは性質が異なるので一概には言えませんが、やはり担当してもらうスタッフが信頼できる相手かどうかも無視できません。営業はコミュニケーション能力や人当たりの良さが非常に重要なので、最初に話した段階でこういったポイントに不安が残るようなら不動産屋や担当者を変更してもらうことも必要です。もちろん話しただけで担当者の能力を全て見分けることは難しいですが、不動産屋選びの大切なポイントとなります。

 

④大手か地域密着店か

不動産屋を選ぶ場合、まずは

  1. 全国展開しているような大手の会社か
  2. 地元に密着している中小規模の会社

の2種類から選ぶことになります。

 

近年は指定流通機構に登録している所が多く、不動産の情報は広く公開されているので大手か中小規模かといった違いはあまり影響しなくなってきています。どちらが優れているのか一概には言いきれませんが、物件量や営業方針などで違いがあることも多いのでチェックポイントと言えます。

 

大手不動産屋はコマーシャルなどを盛んに流していますし、知名度や実績も高いため黙っていても消費者の方から集まる傾向があります。仲介を依頼すれば多くの人の目に物件情報が留まり、手続きなどの面でも契約成立がスムーズに進むことが多いでしょう。ただ、大手ほど営業担当のノルマは厳しいと言われており、担当者によっては強引に契約を成立させようと急かしてくることもあります。

 

会社内での人事異動も盛んに行われている上にノルマや業務量がきつく、退職してしまう担当者も多いのが現実です。じっくりと担当者と関係性を深めていきたいタイプの所有者から見ると、その点で不安が残ると言えるでしょう。逆にそこまで密な連携を望まず、利便性やビジネスライクを重視して契約したい場合には最適となります。

 

地元に密着した中小規模の不動産屋の場合は、やはりシステムやネットワーク、利便性の点で大手より劣ってしまうこともあります。一方で地元の事情や取扱いに精通しているという強みがあり、所有者としては物件に関する情報だけでなく周辺の事情や再開発のウワサなども教えてもらえることもあるので、メリットも多いです。特に賃貸物件の場合は、仲介契約が成立した後も不動産屋とは関係を続けていくことになるため、地域密着型の業者は非常に大きな役割を果たしてくれます。

 

不動産屋選びで欠かせないポイントとしては、やはり契約成立時の仲介手数料が挙げられます。

賃貸の場合は家賃1ヶ月分程度が相場ですが、土地売買などになると何百万円という金額が動くこともあるため、この手数料がいくらに設定されているかも非常に重要です。仲介手数料については大手でも中小規模でも違いはあまりなく、法律によって制限された手数料の範囲内で設定されることになります。

 

仲介手数料は不動産屋の重要な収入源であるため、ここを安くしてくれることはほとんどありません。基本的には、売買の場合で売却価格の3%程度、賃貸の場合は家賃1ヶ月分前後が平均となっています。ただ、賃貸は基本的に借り主から手数料を受け取ることが慣習として残っているので、所有者側が支払うことはほとんどありません。

 

売買の場合は所有者と買い主双方から手数料を受け取る両手取引というスタイルを取っている業者も多いですが、こうなると2倍の手数料を得られる計算になります。

とは言ってもこのスタイルは違法ということはなく、1つの契約で2倍の収入を得られるため何とか両手取引形態にしようとする不動産屋が多いです。両手取引になると自社だけで購入希望者を見つけなければならないため、なかなか買い手が見つからないこともあるので注意が必要です。

 

⑤行政処分履歴の確認

どんな買い物や契約でもそうですが、消費者としては信頼できる相手と取引をしたいと考えるのが普通です。万が一悪質な業者に引っかかってしまえば後でどんなトラブルに見舞われるか分かりませんし、不当な金銭を請求されてしまう可能性だってあります。特に土地や建物の売買は非常に高額になりますので、不動産屋選びには絶対に失敗したくないと思うでしょう。

 

不動産屋が良心的か悪質かを見極める方法としては、過去に行政処分を受けた履歴が残っているかどうかをチェックするという方法があります。宅建業を行っている業者の場合、何か問題のある営業を行っていると国土交通大臣や都道府県知事などの免許権者から行政指導を受けてしまうことがあります。

 

宅建業は高額の取引になることから、消費者保護の観点で可能な限り適正な事業運営を行うことが求められます。これを確保するために、免許権者の行政庁は常に目を光らせ、不動産屋が問題ある営業を行っていないかチェックしているのです。行政処分は宅地建物取引業法という法律に基づいて行われ、指示といった処分の軽いものから業務停止や免許取消しといった重い処分まで複数あります。

 

どの処分をどの不動産屋が受けたかは公表されており、私たちがその情報を確認することもできます。

 

指導は比較的軽い処分なので受けたとしてもそこまで大きな問題にはなりませんが、それでも処分を受けたということは何かしらの問題があったということになるため、過去に処分の履歴がある不動産屋は避けておいた方が賢明です。現在は問題のあった部分を改善して評判が良くなっていたとしても、万全を喫するためにはできるだけ避けておくようにしましょう。

 

行政処分履歴の内容を確認するには、大臣免許か知事免許かによって方法が異なります。

大臣免許の場合は、国土交通省地方整備局というところが行政庁となるため、不動産屋の本社が位置する地域を管轄する地方整備局で名簿をチェックすることができます。

 

北海道であれば開発局、沖縄県の場合は総合事務局という場所になります。直接出向いても確認できますし、近年ではインターネットから簡単に検索することができます。過去5年間の履歴を調べることができるので、特に理由がない限りはインターネット検索を利用したほうが便利です。

 

大臣免許ということは2つの都道府県以上で店舗を展開している大手ということになるため、行政処分が下されるのは多くありません。大手に行政処分が下ればニュースなどにもなるので、大手に仲介依頼する場合はそこまで心配しなくても良いでしょう。

 

知事免許の場合は、その不動産屋が所属する各都道府県の県庁が免許行政庁を兼ねています。都道府県庁へ行けば大臣免許と同じように名簿でチェックできますし、インターネットで検索することもできます。ただ、インターネットの場合は全ての都道府県が対応していないこともあるので注意しておきましょう。

 

インターネット検索だけでなく、各都道府県の公式サイトなどでも行政処分の履歴を記載しているところもあるため、一度確認してみると良いでしょう。中小規模の不動産屋の場合は行政処分を受けているところも珍しくないので、必ずチェックしておきましょう。

 

まとめ

 

このように、土地や建物といった不動産を貸し出したり売却したい場合は、まず仲介を依頼する不動産屋を選ばなければなりません。不動産投資などで取引に慣れている所有者なら選び方も心得ているでしょうが、初めて取引するような所有者の場合は十分に注意しておく必要があります。運悪く質や販売能力の良くない不動産屋に依頼してしまった場合、大きなトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあるでしょう。

 

不動産取引は何千万円という高額になることも多く、トラブルになってしまっては大きな損失です。このような目に合わないためにも、事前に不動産屋選びのポイントをしっかり理解しておくことが大切です。

 

不動産屋とひと口に言っても、その会社ごとに得意な分野や対応可能なエリアが異なります。賃貸を得意とする会社に不動産取引を依頼してもうまく進められないことが多いので、まずは貸し出しか売り出しどちらで依頼するかによって、得意な不動産屋を探すことから始めましょう。探し方としては、その不動産屋のホームページやチラシなどでメインに紹介されている物件の種類をチェックする方法が最も簡単です。

 

どこの会社も、取扱いに慣れていて自信のある物件を一番目立つように紹介するため、その物件が売り出し物件なら売買取引、賃貸物件なら賃貸取引が得意な会社ということになります。

 

ある程度不動産屋の目星を付けたら、次はその不動産屋の免許番号と業界団体の加入有無を調べましょう。国土交通大臣や県知事から正規の免許を受けて営業している不動産屋は、必ず免許番号が交付されています。店内や名刺にこの番号が明記されているかを確認し、もし記載されていない場合は無免許の会社の可能性もあるので注意が必要です。

 

業界団体も中小規模の会社はほとんど加入しており、情報交換が盛んにできるため買い主や借り主を見つけやすくなるというメリットがあります。大手の場合は自社で対応可能なため、加入していないことも多いです。この他にも、その不動産屋がどの程度仲介能力を持っているか、大手か地元密着型かなどによっても自分が所有する不動産を任せるのに適しているか否かを見極めることができます。

 

これまで様々なポイントを述べてきましたが、それ以外にも専属専任媒介契約か一般媒介契約かなどによっても不動産屋の営業の熱心さが変わってきますし、どの担当者に当たるかという点でも契約成立に影響を与えることもあります。近年は指定流通機構という、登録した不動産屋が共同で利用できる情報網なども整備されてきたため、物件の紹介という点ではどの不動産屋でも大きな違いはありません。

 

小さな会社だからろくな物件が無いということはないので、検討対象に入れておいた方が良いでしょう。また、行政処分を受けた履歴が残っている会社は何かしらの問題があるケースも多いので、インターネットなどで行政処分の有無を確認することも忘れずに行いましょう。

 

さらに、所有者と買い主双方から手数料を得ようとする両手取引や相場以上の高額査定を行う不動産屋も多く、所有者としては不安が多いのも事実です。安易に知名度や査定額だけで不動産屋を選ぶのではなく、これまでの実績や評判なども十分に検討してから決めるようにしましょう。