気になる!外壁塗装における6つのこと

外壁塗装における6つのこと

 

家を建てて10年を迎えるあたりから、気にかけておかなければならない「外壁塗装」。新築時にはきれいだった外観も、長年風雨にさらされ、夏の高温多湿・冬の乾燥した空気など、日本固有の季節ごとの差による劣悪な環境によって徐々に美しさを失います。

 

そこで必要になってくるのが外壁塗装リフォームですが、外壁塗装時の価格相場は不透明な部分が多く、どうしても素人である私たちは、業者に出された見積もり内容や価格が適正であるかどうかの判断がつきにくいものです。

 

そこで、後悔しない外壁塗装の業者・リフォーム業者を選ぶために、塗装に適した時期やタイミングについて、塗料の種類や色に関して、そして外壁塗装の価格相場や見積もりに関してを一緒に学んでいきましょう。

 

タイミング

邸宅やビルなどあらゆる不動産において、建物は屋根や外壁によって守られていますが、その屋根材や外壁材を雨や紫外線から守っているのが塗膜・塗装です。この塗装には残念ながら寿命(耐用年数)があり、一般的には10年〜15年程度で塗り替えが必要と言われています。しかし10年はあくまで目安の数値です。

 

外壁塗装に使用されている塗料の種類や外壁・屋根の材質によってはもちろん、不動産が建っている方角や日当たり・風向き、そして豪雪地帯や雨が多い土地・海に近く塩にさらされやすい地域など、建っている土地・環境によっても左右される、ということを肝に銘じておきましょう。

 

では、一体どのようなタイミングで修繕・メンテナンスが必要なのでしょうか。それは、外壁材に見られる症状によって判断することができます。次で挙げる症状・事例の兆候が見られたら、リフォームを視野に入れた方が良いでしょう。

 

外壁にあらわれる経年劣化の初期症状としては、退色する・変色するという程度ですが、徐々に壁が白い粉を吹くチョーキング現象を起こしたり、ひび割れ(クラック)を起こしたり、最終的にはポロポロと剥がれ落ちるようになり、下地が見えはじめたら危険信号です。

 

塗装面が全て剥がれて、下地が外気にさらされてしまうと、深刻なダメージを受けてしまい、家自体が傷む結果に繋がります。すなわち、外壁塗装は色彩的な側面だけでなく、下地を保護する役割も同時に担っているため、塗膜が剥がれて保護機能を失う前が塗り替えのタイミングとなります。

 

塗り替えの適切なタイミングを見極めるには、屋根や外壁の状況を定期的にチェックすることが大切です。

 

また、外壁塗装のリフォームを行う際、イントレなど足場を組んで行うことが大半であるため、同時に外壁以外の修繕工事も依頼すると効率が良く、節約に繋がるのでおすすめです。雨漏りが進行している箇所など、防水性能が劣化した箇所を同時に修繕することで、家全体の防水性能を上げることができるからです。

 

具体的な修繕箇所の一例としては、雨漏りしはじめた屋根、モルタル壁の修理、軒天・破風や雨戸・バルコニーなどの塗装、サイディングボード・窓枠・屋根などのコーキング処理、雨どいの修理や塗装などが一般的です。塗装のリフォームが必要な際は、同時に上記の箇所もチェックしましょう。

 

時期

外壁塗装を行う上で適切な時期ですが、一般的には塗装作業において気温は5℃以上、湿度が80%以下の「低温・多湿期以外」の時期が適しています。反対に言えば、この条件下であれば、年中いつでも塗装を行うことができます。

 

では、次に具体的に季節ごとの向き・不向きを見ていきましょう。まずは年明けから春にかけてです。1〜2月は空気が乾燥していて塗料も乾きやすいのですが、日の入りが早いため日照時間が短く作業時間が足りません。また降雪がある地域では不可能です。3月に入って暖かくなった時期は、日中も最高気温がさほど上昇せず、適した時期となります。

 

4〜5月は天候が不安定になりやすく、作業時間が伸びる可能性があるものの、工事には3月、少し遅れて4・5月もベストな時期と言えるでしょう。

 

6月の梅雨の時期は、雨の日は工事ができず工期が長引く可能性があり、また湿度も高くなりがちなのですが、雨が降り続かない時期を選べば、塗装業者も暇をしていて混雑せず、頼みやすいという利点もあります。また、東北より北の土地では、梅雨の影響が少ないため、気候的に穴場の時期となります。

 

梅雨明けから夏にかけての7月・8月は、温度が高すぎて逆によくありません。また、夕立・ゲリラ豪雨に突然見舞われることがあるため、晴れの日が多い割には案外天候が安定せず、あまり適している時期とは言えません。また、塗装を行う際、家はシートで囲まれて暑くなります。塗料の臭いが気になるので、周囲の土地の住人に気を使わなければなりません。

 

秋は乾燥していて良さそうと思いますが、10月頃まで台風の時期であり、強風や降雨によって塗装工事に向きません。台風が収まる10月中盤あたりから初冬にかけてが外壁塗装に向く時期といえるでしょう。ただ、日が短くなる時期でもあるため、少し工期が長くなりがちです。

 

冬は、空気が乾燥しているため塗料の定着がよく、養生で窓を閉めたままでも支障がないため良い時期です。ただし、日照時間が短くなるため、他の季節と比べて作業可能な時間が短くなりがちであったり、気温や霜・積雪の影響で工期が伸びる恐れがあります。

 

各季節によってメリット・デメリットがあったり、土地によって差異はあるものの、比較的春の3月あたり、そして秋口の10月以降の台風が少なくなる乾燥した季節が適していると言えるでしょう。ただし、この時期は混み合う可能性が高いため要注意です。

 

塗料の種類

外壁塗装で使用されている塗料は、それぞれの家の構造・土地や環境、そして材質によって、適した種類が異なります。もちろん、その種類によって価格や耐久性なども当然異なってきます。

 

家屋・施設など不動産に用いられる主な塗料の種類として、これまでアクリル・ウレタン・シリコン・フッ素塗料が一般的でしたが、現在はその4種類に加えて「ラジカル塗料」という新しい種類の塗料が登場しています。

 

安価ではあるものの、耐用年数が短く徐々に使用されなくなっているのがアクリル塗料とウレタン塗料です。現在のあらゆる家屋・不動産の塗料で最も主流となっているのがシリコン塗料です。耐用年数は10年~15年と言われており、最もポピュラーであるため、「家屋・不動産の外壁塗装の耐用年数が10年から、長く保っても15年」と言われているのは、この塗料のことを指しているためです。

 

ちなみに、フッ素塗料は15年~20年と長持ちするものの価格が高いため、あまり採用されることはありません。そして、近年注目を浴びている「ラジカル塗料」の耐用年数は12年~18年。ポピュラーなシリコンとフッ素塗料の丁度中間となる塗料です。

 

ここからさらに、外壁塗装の塗料は

  1. 水性塗料
  2. 溶剤(油性)塗料

の2種類に分かれます。

 

この2種類の違いは単純に、塗料を溶かす溶剤が水であるか、シンナー臭のする有機溶剤かという違いです。
水性塗料を採用するメリット

シンナー臭がしないこと、そして溶剤塗料よりも塗装費用が安い傾向にあることが挙げられます。単価が安いという点もありますが、水性塗料のほとんどがそのまま使える1液型であるのに対して、溶剤塗料は塗料液と硬化剤の2種類を混合する2液型が多いことも起因しています。

 

デメリット

その扱いやすさ、手間のかからなさが仇となり、外気温が低いと使えず、高性能な塗料でないと、溶剤塗料よりも耐久性が低くなってしまう、という点が挙げられます。

 

次に、溶剤塗料のメリット

揮発性の高い有機溶剤を使うため、乾燥が早く出来上がりが早いです。また油性の塗料であるため耐久性が高く、光沢が長持ちします。価格は高くなるものの、その性能の高さは魅力的です。

 

デメリット

油性塗料につきもののシンナー臭です。工事中はご近所への配慮が必要なのはもちろん、ご家族への悪影響がないかも気にしておかなければなりません。

 

色選び

 

色選びと一口に言っても、色相や彩度、明度・光沢、そして総合的なバランス・最終的な見た目にマッチしているか、ということも考えながら選ぶ必要があります。

 

まず色相に関して言えば、赤を基調とした暖色系や、青を基調とした寒色系、緑や紫系の中性色、原色に灰色を混ぜた中間色といったものはあっても、外壁に配色するカラーにあまり原色は好まれません。よくある「カフェの店内を赤色にしたらお客の回転率が上がった」という事例のように、原色は避けられて目に優しい、淡い色が選ばれやすい傾向にあります。

 

大抵は、家屋・不動産は屋根が濃い色になっていることが多く、必然的に外壁は淡い色が選ばれます。窓枠などに少し濃い色を配色して、アクセントを付けている家が多い傾向にあります。また、庭木・植物が多い場合も、緑が濃い色であるため、外壁には淡い色が選ばれやすくなります。このように、屋根との調和や、庭木の緑との調和を考慮すると、クリーム系・茶色系・グレー系などの淡い色が人気になるのは必然的です。

 

印象としては、淡い暖色・明るめの色は優しく親しみやすいイメージ、淡い寒色・暗めの色は上品かつクールなイメージ、そしてモノトーンは都会的であったり清潔感のあるイメージを抱かれやすいです。もちろん、最終的にはその家の住人の好みを反映させれば良いのですが、その土地に住む周囲の人々も常にその外壁を見るわけで、周辺の土地の人々や訪れた客人に不快感を与えないようにするのも大事なことです。

 

2種類以上の色を使用する場合は、同系色の濃淡で選ぶか、もしくは異なる系統の色でも似たような彩度・鮮やかさで選ぶとバランスが良くなりやすいです。色の種類・数を増やせば増やすほど、調和・バランスが取りにくくなるため注意が必要です。2色、多くても3色、そしてその内1色はアクセント用に留めておかないと、バランスが取りにくくなります。

 

次に、光沢・つやに関してです。あまりに光沢が強いと、新築のような新鮮さが得られますが、同時に建物・不動産が古いと、人によっては安っぽい印象も受けます。一方、同じカラーでもつや消しにすることで、落ち着いた印象へと変わります。決め方のコツとしては、色相を決める段階で光沢も同時に決めるか、試し塗りを見せてもらって決めましょう。また、つやの有無は光の反射だけでなく、雨の流れやすさも備わるため、自然と耐久性も上がります。

 

費用・単価

外壁塗装工事を行う際、それぞれの作業にかかる費用と、平米単価と言われる、「1平方メートルあたりの単価」が記されています。この諸作業にかかる費用や平米単価の価格相場は次の通りです。この単価からあまりにもかけ離れた高額を提示してくる業者、反対にそれを大きく下回る業者のどちらも注意が必要です。作業の水増しや、溶剤に水増しをする悪質な業者である可能性が非常に高いからです。

 

まず、作業費用から見ていきましょう。

足場の価格は600~800円。もちろん、2階建住宅よりも3階建住宅になると足場代は高くなります。高圧洗浄は200~300円、養生は300~500円、飛散防止ネットの費用は100~180円、シーリングの打ち替え費用に900~1,200円、シーリングが打ち直しの場合は700~900円。

 

次に外壁塗装の具体的な作業費を見ていきます。

下地補修に17,000~20,000円、下塗りに700円がそれぞれ発生します。そして、塗料別に見ていきましょう。アクリル系塗料は1平米単価(1平方メートルあたり)にして1,000~1,500円が相場です。続いてウレタン系塗料は1,500~2,000円、シリコン系塗料は2,000~3,000円、フッ素系塗料は3,000~5,000円あたりが相場となります。

 

また、光触媒・無機塗料は5,000~5,500円、遮熱・断熱塗料に関しては5,000~5,500円が相場となっています。

 

見積もりを依頼する前に大まかな費用を計算しておきたい場合、平米単価を合計して、家屋・不動産の外壁の面積をかけて計算しましょう。ただし、外壁の面積は簡単に算出することができないため、「土地の延床面積×1.2平方メートル」も計算して目安にすると、ごく一般的な邸宅の場合、普通に提示される見積もりに該当する外壁面積に近づけることができます。

 

しかし、あくまで目安のため大雑把な計算となり、窓の数や開口部、屋根の形状や外壁の形状でも微妙に数値が変わってくるため、本格的な計算は一度業者に見積もりを依頼した方が、より正確な金額が分かるでしょう。そこで提出してきた金額が、概算で計算した金額とそこまで違わないのであれば、その業者は悪質な業者である確率が下がります。

 

判断材料となるため、ぜひ一度計算してみることをおすすめします。

 

見積もり

見積もり依頼は、どんな作業を依頼をする際も複数の業者に依頼する「相見積もり」がセオリーですが、外壁塗装の場合は複数の業者に依頼するべきです。

 

その理由は、設備や資材によって大きく価格が変動する建築・リフォームとは異なり、外壁塗装の場合は塗料と職人の工賃でほとんどの費用が決まり、価格が変動しにくいためです。お金がかかる部分がある程度限られているので、価格差が大きいとすぐに目立つため、相見積もりによって良い業者・悪い業者がすぐに浮き彫りになります。

 

また、前項で平米単価やそれぞれの作業単価を提示し、計算もして頂きましたが、それだけでなく見積書の最終的な施工金額が200万円を越えていないかどうかもチェックすることを忘れずに。一般的な邸宅である30~50坪の戸建ての場合、外壁と屋根・付帯部分を塗装して、足場や高圧洗浄作業など全ての作業を含めても200万円を越えることはごく稀です。

 

屋根を塗る面積や、平米単価をしっかり見ることはもちろんのこと、それ以外の項目でも問題の箇所があればすぐに200万円を越えます。その場合は明らかに悪徳業者であるため注意してください。

 

次に、見積もりの依頼先を見ていきましょう。

一番最初に思い浮かぶのが「ハウスメーカー」ではないでしょうか。ハウスメーカーで家を建てた場合、保証などの兼ね合いで同じ業者に依頼するケースが多いです。ただ、見積もりの価格も高い割に、安く下請けに出すため、下請け業者が無理をするため、塗料を薄めたり指定外の塗料を使ったり、下塗りを怠ったりと手抜き工事が発生しやすくなります

 

次いでポピュラーなのはその土地の工務店。自ら作業を行う工務店や、下請けを使う工務店などさまざまです。ただ、下請けを使う場合でも、ハウスメーカーほどマージンは取らないことが多く、その土地・不動産屋界隈の評判によって死活問題となるため、比較的責任を持って施工をしてくれるケースが多いです。

 

また、外壁塗装も平行して行う「リフォーム業者」の存在も挙げられます。しかし、リフォーム業者には得意・不得意の分野がある点は要注意です。大手は総合的に扱いますが、中小のリフォーム業者の場合は「水回りのみ」「キッチン回り専門」など、特化・専門化しているのが普通です。依頼する場合は、家屋・不動産の外壁や屋根の塗装を専門としている業者を選びましょう。

 

まとめ

実害が出やすい屋根や窓の雨漏り、床のきしみやフローリングの傷み、また水回りの不具合に関しては敏感であるのに対して、外壁塗装の状態・リフォームに関しては意外と疎い方が多く見落としがちです。普段生活をしていても直接影響が出にくく、また毎日目に入る部位でもないため、どうしても気になりにくい場所なのです。

 

しかし、本項でも触れた通り、初期症状は色あせや変色といった軽いものであっても、徐々に苔がはえたり雨だれの跡が残ったり、さらにはチョーキング現象、塗装材のひび割れ、そして亀裂や塗装材の剥がれへと発展していきます。たかが外壁塗装だから、といって甘くみていると、外壁材自体にダメージが行きわたり、最終的には家屋も傷んでしまいます。

 

また、屋根や窓の防水性能が落ちるのと同様に、外壁の塗装が甘くなると、家全体の防水性能の低下に繋がります。修繕が遅れるほど、修理費用も工期も長くなるので、普段から定期的にチェックしておく必要があります。

 

個人では不可能である外壁塗装だからこそ、お金と手間をかけてしっかり行いたいところです。塗料の種類によって耐久性が異なり、さらに言えば同じ塗装であっても業者の質によって出来映えや耐久性、そして価格差が生まれてしまいます。ご自宅の塗装は何年目で、どういった塗装材を使用していて、今どんな状態かということをきちんと把握した上で、塗装・リフォームの計画を練って業者選びをすることをおすすめします。

 

もちろん、タイミングだけではなく、その土地・地域の気候を踏まえた上で絶好のシーズンを見定めましょう。春もしくは秋は、大抵の地域であれば適していることが多いため、大きな目安となることでしょう。やむをえず低温・多湿のシーズンに行う場合は、価格はもちろんのこと、工事にかかる日数も踏まえた上で考慮することが大切です。

 

また、家を建てて10年以上経過してくると必要になるのは外壁の塗装だけではありません。劣化してきた屋根や窓枠、雨樋などさまざまな箇所に修繕が必要となっているはずです。何度も異なる工事を依頼するのは非効率で、費用もかさみます。

 

外壁の塗装を依頼する際には、他に同時に行うことができる修理・修繕工事がないかどうか調査してから頼むようにしましょう。

 

複数の修繕サイクルを合わせることも、将来の節約にも繋がるコツです。