家の解体についての基礎知識(木造・軽量鉄骨他)

家の解体についての基礎知識(木造・軽量鉄骨他)について

 

現代の日本は高齢化や核家族化が進み、それまで使われていた家が住人を失って空き家になってしまうことも増えてきました。木造の空き家は倒壊の危険や防犯上の不安もあり、今や日本中で問題視されています。特に田舎の方はその傾向が強く事情が深刻で、国が進める空き家対策特別措置法の施行により行政指導を受けてしまう可能性も大きくなっています。

 

例え住んでいなくても、所有する空き家に関する責任はあくまでも所有者にあります。税金面での優遇措置も受けられなくなる可能性が高く、空き家として残しておくメリットはほぼありません。管理が行き届かない空き家はいっそ取り壊したほうが良いのですが、その場合の費用やガレキの処分方法など事前に知っておくことが大切です。どのように業者を探し、解体を進めていけば良いのかを知っておきましょう。

 

解体費用が個別で異なるのはなぜ?

言うまでもないことですが、土地や建物といった不動産はそれぞれ形や条件が異なります。木造かコンクリート造かといった基礎的な内容はもちろん、どんな土地に建っているか、周囲はどんな環境かといった細かい点でも解体費用は異なります。しかし中には全く同じ土地で同じ構造、さらに面積や体積などが同じでも解体費用が異なるケースもあります。

 

全く同じ条件にも関わらずこのように費用が変化する理由は、家の解体には単純に壊すための費用だけでなく、解体によって発生したガレキやゴミを処分するための費用も含まれるためです。それぞれの細かい点が費用の違いに現れることになり、例えば建物の構造やどれくらいの大きさか、家の前にある道路の幅はどれくらいか、機械を使えず手作業になる部分はどれくらいあるかなどにも影響を受けることになります。

 

さらに浄化槽の有無や家電の処分有無、庭木や車庫などの付属物の有無なども関わってきます。木造かコンクリート造かといったような構造に関しては費用の違いが分かりやすく、取り壊すのに手間がかかる頑丈な構造の方が時間もコストも必要となり、必然的に高額になってしまいます。

 

なぜ建物が接している道路の幅がコストに影響するのか疑問に感じる人も多いでしょうが、実は道路幅こそ解体に最も大きく影響すると言っても過言ではありません。

 

一般的に家を解体する場合には重機を入れて作業することが多いですが、道路が狭い場合はこういった効率の良い重機を使用することができません。解体によって出た廃棄物を運ぶためのトラックも近くまで持ってくることができないため、どうしても手作業や人手が必要になってしまいます。時間や人数がかさむことになり、費用が高額になってしまうので注意が必要です。

 

また、解体後の産業廃棄物についても専門の処理業者に依頼して処理プラントまで輸送してもらわなければなりません。業者ごとに費用設定は異なりますし、処理場の土地が遠ければ遠いほどガソリン代や手間賃などが多くかかることになります。

 

中には解体業者が自分のところで処分場を持っていることもあり、一括して依頼できるため安く済ませられることもありますが、多くは別の処理業者に委託する必要があるので注意しておきましょう。このように、解体する不動産の状況だけでなく解体業者や処理業者など様々な要素が関わってくるため、費用も個別に異なってきます。

 

解体費用の大体の相場

土地の上に建つ家などの不動産を解体する場合、多くは専門の解体業者に依頼して取り壊しの作業をしてもらうことになります。もちろん法律的には不動産を自分で取り壊しても何ら問題はないのですが、業者が作業する場合と同じように様々な手続きや安全配慮を行う必要があります。

 

労力も時間も甚大になってしまうので、できれば素直に専門業者へ依頼するようにしましょう。

 

専門業者はインターネットなどで探せば簡単に見つけることができますし、よく分からない場合は地元の不動産会社などに相談すると紹介してもらえることもあります。その場合、賃貸をメインに取り扱っている不動産会社ではなく、一戸建てのリフォームや宅地開発などの経験が豊富な不動産会社の方が適しているのでよく調べておきましょう。

 

家の解体にかかる費用は、都市部よりも田舎の方が比較的安く済みます。田舎は道路の幅や家が建っている土地の面積も広く、重機の使用や作業が容易であるためです。さらに人件費も都市部と比べると基準が低いため、全く同じ条件の建物だったとしても費用を抑えられる傾向にあります。もちろん田舎なら全ての建物が安く解体できるというわけではなく、あくまでも費用は個別の建物の状況によって異なるという点は同じです。

 

全国的な費用相場の目安としては、構造ごとに坪単価によってある程度決められています。最も費用が安いのは取り壊しやすい木造の建物で、この場合一坪当たり20,000円から30,000円となっています。次に安いのは鉄骨造で一坪30,000円から40,000円、最も頑丈な鉄筋コンクリート造は一坪40,000円から50,000円かかってしまいます。

 

50坪の土地に建つ家だった場合、木造は100万円から150万円で済むのに対し、鉄筋コンクリート造だと200万円から250万円もかかってしまうことになります。

 

壊しやすさだけではなく、作業後に出る廃棄物や処理方法も異なるためこのように費用差が発生します。また、平屋建てと2階建ての家を比べると、同じ箱型で同じ床面積だったとしても、坪単価は平屋の方が高くなってしまいます。これは1階部分に建物の基礎が設置されているためで、2階部分の取り壊しは基礎が無いため非常に簡単だというのが一番の理由です。

 

このため、2階があると延べ床面積が増えるため坪単価が安くなる結果となります。この金額はあくまでも相場であり、実際にどれくらい費用がかかるかは業者の見積もりを取ってみないとはっきり分かりません。

 

解体費用の個別の詳細

解体を希望する際には業者から費用の見積もりを取ることになりますが、どのような費目が使われるのか知っておくと役立ちます。費目や記載方法は業者によって実に様々で、決まった様式があるわけではありません。

 

詳しくは業者へ問い合わせることになりますが、どこの業者でも使用する基礎的な項目としては、まず解体工事全体の費用が挙げられます。これは一坪当たり20,000円から50,000円で、木造か否かといった構造ごとに異なり、人件費やガレキなどの処分費用も含んでいます。

 

仮設工事は1㎡あたり500円から1,000円で、ご近所への配慮として騒音やホコリを防ぐために家の周囲を特別なシートで覆います。田舎などでスペースに余裕があり、シートを使うまでもない場合は節約することができます。内装解体は一坪5,000円から10,000円で、キッチンやトイレなどの設備やガラスなどの危険物は手作業で取り除くため、このように高額になります。

 

屋根解体は1㎡あたり1,000円から2,000円で、屋根瓦を使用している場合に面積や種類に応じて加算されます。内装や屋根の処理が終わったら重機で一気に取り壊すのですが、その際の費用として重機解体が一坪3,000円から5,000円程度かかります。

 

さらに、建物の1階部分にある基礎を取り除くための基礎撤去費用として1㎡あたり3,000円から5,000円、作業にあたる人数に応じて人件費が一人当たり15,000円ほど必要になります。

 

この人件費は基本的に作業日数分が加算されますが、作業の始め頃は重機を使わないため日数に比例しないこともあります。解体によって出たガレキやゴミを処分する廃棄物処理費用として1㎡につき5,000円から20,000円、庭木がある場合は樹木撤去費用として1本あたり10,000円から50,000円もかかってしまいます。

 

さらに家をブロック塀で囲んでいる場合はその撤去費用に1㎡あたり2,000円かかりますし、重機を使う場合には重機解体費用とは別に重機運搬費として40,000円ほど請求されることもあります。
上述した費目はあくまでも一例であり、個別の家の状況に応じてさらに費用が増えることもあり得ます。

 

業者によって費用の設定や管理方法はバラバラなので、見積書をよく確認することが大切です。

 

解体費用の見積もりの事例

実際の家の例をもとに解体費用の見積もりを考えてみると、具体的なイメージが掴みやすいです。

 

例えば木造平屋建ての50坪の家を取り壊す場合、まず仮設工事として1㎡あたり500円かかるため、50坪だと45,000円必要です。重機運搬費として30,000円、内装解体費として一坪5,000円なので250,000円となります。

 

屋根解体費と重機解体費としては一坪3,000円なので、それぞれ150,000円ずつかかります。基礎撤去費は1㎡あたり5,000円なので200,000円、廃棄物処理費としてトラック一台あたり50,000円を5台手配し、250,000円とします。樹が2本あったので樹木撤去費として20,000円、3人分の作業費として1日45,000円を5日分、計225,000円かかります。

 

この他、諸経費として10,000円を含めると全て合算して1,330,000円の費用が必要となります。坪単価で考えると26,600円ですが、これは重機や大型トラックが使用でき、作業日数も比較的短くて済む環境を前提としています。

 

これに対し、木造ではなく軽量鉄骨造の2階建で40坪の家だった場合を考えてみましょう。

 

仮設工事費として150,000円、解体工事費として800,000円、重機費として400,000円が必要となります。さらに廃棄物処分費は400,000円、諸経費は100,000円となり合計1,850,000円かかります。坪単価は46,250円ですが、上記の木造平屋建てと違って簡易的な項目となっています。業者によってはこのように簡単な内容で済ませることもあり、人件費や諸経費の詳しい内容も不明となるので注意が必要です。

 

鉄筋コンクリート造の2階建60坪と、解体が比較的難しい建物の場合もあります。木造と違って坪単価も割高になり、仮設工事は210,000円で重機使用に70,000円、散水機使用50,000円に上部の解体工事費として720,000円、基礎部分に320,000円が必要となります。内装材撤去に300,000円で廃棄物処分費は600,000円、車庫撤去に30,000円で芝生や樹木の撤去に250,000円とします。

 

門や塀もあったので一式300,000円、官公庁への届出費として10,000円、工事に当たってガードマンを配置するため70,000円と仮設トイレの設置に40,000円、これに諸経費200,000を加えた3,170,000円総合的な費用となります。

 

まとめ

このように、家を解体する場合には様々な注意点やポイントがあります。不動産が全て価値が異なるのと同じように、解体する場合もそれぞれの不動産に応じてかかる費用は異なります。

 

木造か鉄筋造か、面積はどれくらいか、重機の使用はできるかなど様々なポイントに応じて必要となる費用は異なります。

 

単純に建物を取り壊すだけでなく、家の基礎部分や庭木を撤去するのにも個別に費用が発生するということを知らない人も多いでしょう。

 

特に基礎部分の撤去はどの建物でも発生するものなので、忘れずに考えておくことが大切です。こういった費用がそれぞれどの程度かかるのかは、実際に解体業者から費用の見積もりを取ってみなければ分かりません。業者を探すのが難しい場合は、その土地で長く営業している不動産会社などが詳しいこともあるので、相談してみると良いでしょう。

 

最近はインターネットで一括見積を依頼できるサイトなども開設されているので、解体費用の相場を知るためにも一度利用してみると役立ちます。

 

相場としては、木造の場合100万円で済むところ、コンクリート造だと200万円ほどかかってしまうこともあります。構造によって解体の難しさや廃棄物の処理費用も異なるため、同じようなデザインの家でも費用が大きく変わることもあります。このため、実際に業者から見積もりを取って見積書に記載されている費目をチェックし、不明な点が無いかなどをしっかり確認することが大切です。

 

解体にかかる費用は、建物を取り壊して土地を更地にするための費用です。何かを壊すための費用に大金をかけるのはもったいないと感じる人もいるでしょうが、安全面や税金面のデメリットを考えるといつまでも放置しておいて良いものでもありません。

 

費用については構造はもちろん、重機が使用できるか否かも大きく影響してきます。土地の立地によっては重機が使えず、更に高額の費用がかかってしまうこともあるのでよく理解しておきましょう。

 

費用の見積もりは業者ごとに記載する内容や見積もり方法が異なり、素人には内容を理解しにくい点も多いです。ここに付け込んで利益を上げようとする悪質な業者も多いため、まずは業者の選び方に慎重になる必要があります。見積もり内容を細かく記載し、こちらの質問にも丁寧に答えてくれる業者であれば信用できることが多いので、できるだけ多くの業者から見積もりを取るようにしましょう。