田舎の賃貸物件を売却する時の問題点と売却する手順

田舎の賃貸物件を売却する時の問題点と売却する手順について

不動産投資を行っている人は全国各地に存在しますが、田舎で賃貸経営をしている場合は問題点も多くあるので注意が必要です。田舎の場合、賃貸物件のニーズや人口も少なく、家賃も低くせざるを得ません。経営がうまくいかないことも珍しくありませんが、その中でも特に賃貸物件の売却はオーナーにとって頭を悩ませるところです。

 

賃貸物件の場合は入居者がいますから、売却にあたって他の不動産物件と同じように売買契約成立までに退去してもらわなければなりません。スムーズに退去してもらえないと大きなトラブルに発展してしまうため、賃貸物件の売却に関する問題点や注意点をしっかり把握しておきましょう。

 

不動産としての取引は同じ

賃貸経営している不動産物件でも、他の不動産と同じような手順で売却することになります。具体的な手順としては、まず不動産会社に査定依頼を行って土地を含めた物件の正しい価値を評価してもらいます。複数の不動産会社から得た査定結果をもとに媒介契約を交わす会社を決め、実際に市場に売り出す際の価格を設定します。

 

なお、売り出し価格がそのまま買い取り価格になるわけではなく、実際には購入希望者との交渉によって上下しますのでそのつもりでいましょう。仕組みを理解しておけば大きな損も防げます。その後、購入希望者が現れれば物件の内見対応を行うのが一般的ですが、賃貸物件で入居者がいる場合は内見が実現できないという問題も起こりがちなので注意が必要です。

 

購入が決まれば細かい価格の交渉に移り、不動産会社の仲介のもとで売買契約書を交わすことになります。多くの買い主が住宅ローンを組むことになりますが、ローンが受けられるかの審査には数ヶ月の時間がかかることもあり、決済までには更に時間が必要なことを理解しておきましょう。契約が滞りなく進めば、売却代金を受け取るのと同時に所有者移転の登記手続きを行います。

 

登記手続きは複雑なので、司法書士などの専門家に報酬を渡して代行してもらうのが一般的です。所有権が登記によって正式に買い主に移れば、速やかに買い主へ物件とカギを明け渡して取引は終了となります。オーナーが変わると家賃の振り込み先や管理者が変わることもあるので、引き続き入居している人へは通知を発送する必要もあります。

 

売却で入居者がいる場合

一般的な土地など他の不動産売買とは異なり、賃貸物件を売却する際には入居者が問題となることもあります。購入希望者との交渉の段階で入居者がいれば、その存在は購入希望者のニーズに応じてメリットにもデメリットにもなり得るのです。

 

オーナーとして考えると、物件の売却にあたって入居者に退去してもらうことになれば退去費用も必要になりますし、これまで何の問題もなく入居してくれていた人に引っ越しを強要するのは非常に心苦しいものです。このため、入居者がいる賃貸物件を探している購入希望者だとお互いにメリットが大きいことになります。

 

購入希望者の面から見れば、不動産投資の一環として物件を購入するうえで、入居者が既に存在していれば田舎でも空室リスクを避けられるだけでなく、購入後すぐに収益を上げられることになります。このため入居者がいる物件は逆に価値が高くなる傾向にあり、特に賃貸物件のニーズが少ない田舎などの土地ではアピールポイントにもなります。ただ、入居者がいるから投資として採算が上がるというわけではないため、入居者がいるというのはあくまでもアピールであり、より高額で売却できるという意味ではありません。

 

一方、入居者がいることによるデメリットとしては、退去を求めたい場合でも借家権という権利を主張して退去に応じてくれないという点が挙げられます。もし購入希望者が将来的に物件の建て替えやリフォームなどを考えている場合、入居者によってはスムーズに計画を実行できなかったり手順が煩雑になってしまうリスクがあるのです。購入希望者が入居者の退去を希望する場合、大きく値下げを要求されることもあるので注意が必要です。

 

撤去の有無による影響

入居者がいる賃貸物件の場合、オーナーや購入希望者の都合によっては退去を要求するケースもあります。このような場合、手順として基本的には退去にかかる費用はオーナーが全て負担するものですが、これでは一見デメリットが大きすぎるように見えます。しかし実際には費用を負担してでも退去させた方がメリットになるケースもあり、例えば購入希望者の幅が広がることが挙げられます。

 

入居者がいない物件なら購入後に自由にリフォームなどを行えるため、賃貸経営を希望するあらゆる投資家が買い主の対象となります。面倒な手順を踏まなくてもすぐに希望する投資が行えますし、自分の住宅用として購入を検討している層にもアピールすることが可能です。田舎でも利便性が良いなど人気のある地域なら、物件を取り壊して土地のみ売却するという方法もあります。

 

このように様々なメリットが考えられますが、逆に問題点も存在します。退去させる場合は時間もかかれば費用もかかり、仮に最後の一人がなかなか退去に応じてくれなければ売りに出す時期も遅れ、その分他の部屋の空室リスクが増大してしまいます。強制的に退去させることはできず、面倒な手順を重ねなければならないため注意が必要です。

 

また、退去させない場合は、売り出しの当初から入居中物件を探している購入希望者しかターゲットにすることができません。購入希望者が少なくなり、売却までの期間や価格など様々な面で不利になってしまいます。一方で退去費用を負担せずに売却まで安定した家賃収入を得られるのは魅力だと言えるため、単純に退去させる場合と損得を比べることはできません。入居者の有無は、メリットと問題点どちらにもなり得ると覚えておきましょう。

 

借主と賃貸契約者の権利

土地だけでなく賃貸物件の場合でも、法律によって借主には借家権が発生します。

 

借家権は基本的に貸主よりも借主が有利となる内容になっており、場合によってはオーナーにとって大きな問題となります。

 

賃貸借契約では、一般的に普通借家契約もしくは定期借家契約の2種類が存在します。従来の借家権では借主の権利が強すぎるとして設定されたのが定期借家契約で、こちらは契約期間に年数の制限があります。1年以下の契約も可能で、貸主が了承しない限りは基本的に借主が希望しても契約更新は行いません。

 

両者の間で決定的に異なるのは、このような契約期間および契約更新時の取扱いになります。賃貸物件がどちらの契約形態になっているかは、物件の説明に契約更新と記載されているか再契約とされているかで見分けることができます。契約更新は普通借家契約、再契約は定期借家契約になるので注意してチェックしておきましょう。

 

また、普通借家契約の場合は借主が更新を希望していると貸主は正当な理由なくして更新を拒否できないという問題があります。正当な理由には物件の売却予定は含まれず、やむを得ず売却するしかない事情がない限りは認めてもらえません。このため、貸主側の単なる売却希望で更新を断りたい場合は解決方法として立退料を借主に支払うこともあります。

 

定期借家契約であれば、契約期間さえ満了してしまえば更新を了承しなければ良く、立退料など余計な手順を踏む必要はありません。満了後も借主が無視して出ていかなければ不法占拠となるため裁判所へ訴えやすくなり、トラブルを予防しやすい契約方法だと言えます。

 

立ち退き料の相場

賃貸物件の入居者が退去に応じてくれない場合、田舎でも都会でも立ち退き料を支払って対応することがあります。田舎の土地なら立ち退き料も安くて済むかと考えがちですが、実際には田舎かどうかに関わらず立ち退き料には相場が存在しません。貸主や借主との交渉で決まることが多く、借主の経済的な損失を防ぎつつお詫びの気持を含めて、家賃の数ヶ月相当を支払うケースが多いです。

 

退去するとなると、借主は引越し費用や新しい住居の契約費用、引越しにかかる休業や環境変化による損失など様々な負担が発生します。これらを考え、それぞれの借主に応じた具体的な金額を考えていくことになります。引越し費用は荷物の量や転居先、その土地の相場など様々なポイントがあるため一概には言えません。

 

新たな住居の契約費用は、敷金や礼金、仲介手数料など含めて新たな家賃の6ヶ月分から8ヶ月分ほどは必要です。

 

引越しによる環境変化の損失は算出が難しいですが、一般的にはタダで引越せるなら、より便利な場所へ引越そうとするため問題となることは少ないです。ただ、賃貸物件の数が少ない田舎などの土地では、希望通りの物件が新たに見つかる保証はないため費用を多めに用意しておいた方が賢明です。判断が難しいのが、退去を要求することへのお詫びの気持です。

 

一般的には数万円のところ、借主が退去を嫌がれば家賃の6ヶ月分から1年分ほど必要になるケースもあります。こういった金額を合算すると、特にトラブルにならなかった場合でも家賃の10ヶ月相当を準備しておく必要があります。家賃がどの程度かによりますが、だいたい50万円から高くても100万円以内で済ませることができます。

 

田舎の場合は家賃相場が低めなので、都会と比べると費用も少なくて済みます。