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農地の固定資産税の水準と宅地より評価が低いのはなぜ?

 2018/06/19 農地と山林の土地活用術  

農地の固定資産税の水準と宅地より評価が低いのはなぜ?

農地は住宅地に比べて随分と固定資産税が安くなっています。固定資産税は、その土地が持っている収益性を基準にして、各自治体で決められて徴収されています。収益性を考えてみたときに、これらの土地では収益が高い作物はほとんど作付されていません。

 

おもに生産されているお米でも、自主流通米が一俵60kが13000円前後と大きく収益を上げているといった、作物ではありません。

 

米離れや離農する人が多くなっている現在、これらの土地を宅地並みに課税してしまうとますます離農していく人も増え、荒れ果てた土地がいたるところで見受けられることになるでしょう。

 

農地の固定資産税

都会では土地の価格が高額で、自分の家を建築するのに躊躇している人たちもたくさんいます。住宅地は自由に売買することができ希望をすれば誰でも購入することが可能になっています。では農地はどうでしょうか。日本には農業基本法という法律があります。自分は固定資産税が安い土地がほしいから購入したいと思っても、この農業基本法によって自由に売買ができなくなっています。

 

基本的には農業用地を購入するときは、購入した人も農業を行わなければなりません。ということは農業を行っている人しか農業用地は購入ができないということです。

 

農業用地を購入して住宅地にしようと考える人もいます。その場合農業委員会に届けを出して、農地転用の許可を都道府県知事からもらわなければなりません。この農地転用の許可も届を出したからと言ってすぐに許可が出るものではありません。最低5~6年かかります。

 

ただ例外が認められているのは、その土地の所有者の子供などが家を建てるために農業用地を住宅地に変更するときには、比較的短い時間で許可が出されています。田畑が突然に埋立され住宅が建っているのがよく見かけられるのも、このためです。

 

しかし農業用地の転用を行っても固定資産税が農地並みになったというわけにはいきません。住宅地になった段階で、固定資産税も住宅地なみに徴収されることになります。田畑に住宅を建てたからと言って、固定資産税が安くなるということにはなりません。農地は農業しかできない土地になりますので、当然収益が低くなってしまいます。

 

固定資産税が住宅地並みになってしまえば、農業をやっていても採算が取れなくなってしまいます。そういった観点からも固定資産税は安くなっているのです。ほかの不動産なみに課税してしまえば、耕作放棄地がますます増え食物の自給率も低くなってきます。また農地は大雨が降った時などは、そこに雨がたまってダムの役割もしてくれます。

 

国土の保全といった意味でも、税金が安くなっているのです。

 

このように農地というのは収益性の低さや売買がしづらいといった意味で、不動産的な価値が随分と低くなっています。土地の評価額もそれに合わせて低くなりますので、固定資産税も低く設定されているのです。ですが同じ農地であっても住宅地並みに評価されて、課税されている土地も存在しています。

 

農地の区分によって課税が異なる

農地はどこにも存在していますが、大きく分けると

  1. 市街地区域外にある一般農地
  2. 市街化区域内にある農地

に分けられます。

 

市街化区域内にある土地は

  • 生産緑地
  • 一般市街化区域農地
  • 特定市街化区域農地

に分けられています。

 

市街化区域外にある土地は一般農地と同じ評価がされて、固定資産税の課税も農地として課税されています。一般市街化区域内にある生産緑地は農業を継続して行うといった条件で農業がおこなわれている土地で、これも農地として評価されて課税されています。

 

しかし指定区域内にある一般市街化区域と特定市街化区域農地は宅地並みに土地が評価されています。そして一般市街化農地は農地に準じた課税が行われ、特定市街化農地は宅地並みに課税が行われています。一般農地というのは、いわゆる農村部に存在している土地です。この土地で農業がおこなわれ土地の売買にも制限がある土地になっています。

 

市街化区域農地というのは、将来的に市街化される土地かあるいはすでに市街化されている土地になります。

 

たとえ農地であっても住宅並みの評価で取引が行われます。ですが現況は農業がおこなわれている土地になりますので、宅地と全く同じ評価はされてはいません。宅地評価から将来宅地化していくための仮想の造成費を宅地評価から控除していく方法で、評価が行われています。これを宅地並み評価と呼んでいます。

 

ですが市街化調整区域から市街化区域に代わることで、今まで一般農地の評価で固定資産税の課税が行われていたものが、宅地並み課税になってしまうことがあります。このことで固定資産税が大きく上がってしまう人も出てきています。急に評価額が大きくなっていくことで、税負担に悩む人も出てきています。そのため評価は宅地並みに行っても、固定資産税を抑える配慮が行われています。

 

実際に市街化区域で農業を行っている人には課税標準を三分の一にする特例が行われています。また農地に準じた課税が行われています。これは一般農地と同じ課税ではなく、負担調整措置を行うことです。

 

特定市街化農地というのは三大都市圏の特定市にある農地で東京都や愛知県、大阪府やその近郊府県です。

 

これらの土地は住宅化が進んでいますので土地の価格が高く、農地も宅地並みの評価を行うことになっています。課税標準三分の一の特例は行われていますが、評価は宅地並みに行われています。

 

市街化区域農地が抱える問題

平成26年度を例にとると一般農地の固定資産税の課税金額は、10アール当たり1000円未満になっています。一般市街化区域にあるものは10アールあたり58408円です。

 

特定市街化区域にある土地は、186494円となっています。これを見てもいかに市街化区域にある土地の固定資産税が高いのか一目瞭然です。負担調整措置があるといっても、宅地並みの評価の三分の一の評価額の固定資産税の税金を将来払っていかなければならないことは、間違いがありません。

 

宅地では住宅用地にする場合に課税の特例があります。住宅があるとその住宅の戸数に200平米を乗じた数値までは、六分の一まで軽減されています。また200平米を超えてしまっても、総床面積の10倍までは三分の一に軽減されています。

 

住宅用地ですと六分の一、市街化区域にある農地は三分の一ですからいくら造成費が控除されるといっても、固定資産税の上限に行き着けば市街化区域にある土地が、そうでないところの住宅地の2倍も固定資産税を、納めなくてはならないことになってきます。

負担調整措置があるため表にはなかなか現れては来ませんが、将来的には市街化区域にある農地のほうが固定資産税額が高くなってしまいます。こういった問題点も市街化区域にある農業用地は抱えています。

 

農地の売買には農業を営まなければならないといった条件が付いています。こういった条件のもとでは、進んでこれらの土地を購入する人は出てきません。これらのことを考えていくと、耕作放棄地の増大や食糧自給の観点から住宅地よりも農地のほうが固定資産税が高いといったことは、極力避けなくてはなりません。

 

また収益性がない土地より収益性がある土地のほうが、固定資産税が安いということも問題です。固定資産税を多く課税するのならそれに見合った収益性がある土地に変えていかなければ、問題が出てきます。これらの土地を不動産としてどのようにとらえてどのように活用していくのか、みんなで考えていかなければならない問題になってきています。

 

農業用地を流動化させて住宅地並みに売買を可能にするといった案もありますが、それを行えば食糧の自給や国土の保全にも問題が出てきてしまいます。行政のほうでも大災害が起こった時ばかり、農地転用の特例を作るのではなく、柔軟な対応をしていかなければなりません。

 

まとめ

農地の固定資産税は、どうしてこんなに安いのかと感じている人もたくさんいると思います。ですがそれは一般の農地であって、上で述べたように市街化区域ではそうとは限りません。将来的には住宅地よりも課税金額が高くなることだってあり得るわけです。これらの土地を不動産としてどう活用するか、どう収益性を持たせていくかということが課題です。

 

週末だけ農業を行う人も多くなっています。市民農園もいたるところでできてきています。いわゆる一坪農園というものですが、週末にこの農園へ行って自分で作物を作ることが盛んに行われています。月にいくらかの利用料金を払って農地を貸してもらうわけですが、これらのことも収益を上げていく有効な不動産の活用法になります。

 

これらの不動産の活用方法がわからないといった人は、専門家に相談してみると良いでしょう。限られている利用方法の中で、どんな種類の活用方法があるのか相談してみてください。

 

固定資産税を払っていくために農業以外をおこなって支払わなければならないということは、本末転倒です。できれば農業を行って税金は払っていきたいものです。最近ではこれらの土地に太陽光発電の装置を取りつけて電力会社に売電している人も出てきました。農業以外で収益を上げていく、不動産活用の一例になります。これらの土地が一般の不動産なみに売買ができれば何も言うことはないのですが、そうも簡単にはいきません。

 

一般の不動産なみの固定資産税、将来的には住宅地の二倍そんなことを考えていくとゆったりと農業を行うといったことも、吹っ飛んでしまいます。

 

農業基本法は農業を営んでいる者にしか農地の売買を認めてはいません。今農業を行っている人の子供たちが、必ずしも農業を行っていくということはわかりません。そう考えていくと市街化区域にある土地も、将来的には耕作放棄地になっていくことは間違いがありません

 

将来的に農業がおこなわれるように担い手の育成も早い段階から行っていくことも、問題解決の一助になります。

 

所有している不動産をどう生かしていくか。農業で生かしていくのか、そのほかのことで生かしていくのか、固定資産税の上昇とともに、待ったなしで宅地並み課税が行われている土地を持っている人は、考えていかなければなりません。

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