駐車場経営・コインパーキング経営のメリット・デメリット

駐車場経営・コインパーキング経営のメリット・デメリット

 

近年はサラリーマンも仕事の傍ら不動産投資を行っていることも多く、様々な土地活用の方法を模索されています。この土地活用を考えるうえで注目を集めているのが、初期投資やランニングコストが少なく、稼働まで短期間で実践できる駐車場経営です。

 

リターンが小さい代わりにリスクも小さいので初心者でも安心して実践できる特徴がありますが、決してメリットばかりではありません。リスクが小さいとは言っても投資は必要となり、様々な注意点もあることから安易に手を出すのは控えましょう。

 

駐車場経営を考えている場合は必ず事前にメリットやデメリットの他、リスクの内容についても確認しておきましょう。

 

メリット

土地を駐車場経営で活用する場合、最大のメリットと言えばやはり取り組みやすいという点が挙げられます。アパートやマンションなど物件管理と比べると駐車場経営は労力もほとんどかからず、敷地内の掃除や事故、不正利用などへの対策さえ行っておけば良いので手軽に実践できます。しかもこういった対策は毎日必要になるものではなく、事故が起きた場合も管理責任などを負わされるケースはまずないため、様々な面から労力を節約することができる活用法だと言えるのです。

 

物件管理の場合は、入居者が退去した際の原状回復やメンテナンスなどでトラブルが起きやすいものですが、駐車場経営であればこういったトラブルもほとんど見られないので自己管理でも手を煩わされることは少ないでしょう。多くの不動産投資を行っていて少しでも手間を省きたい場合は、管理を専門業者に任せてしまうという方法もあります。利用者の多い人気の駐車場にすることができれば、ほぼ不労所得とも言える程の大きなメリットを与えてくれます。

 

また、長い目で見ても投資額が少なくて済むというのも魅力の1つです。そもそも駐車場には建物がないため、不動産投資としては驚くほど投資額が小さくて済みます。コインパーキングなどは精算機やバーなどの専用機器が必要になりますが、月極駐車場にするのであればこういった機器も不要になるのでますます投資額が少なくなります。不動産を取得するための初期投資はある程度かかりますが、それ以降の追加的な投資やコストはあまりかからないというメリットも挙げられます。

 

さらに、万が一駐車場経営がうまくいかなかった場合に、投資額が少ないため撤退もやりやすいという魅力もあります。マンション経営などは土地や物件、維持費などに多額の費用が必要となります。撤退したくても物件の処分やこれまでの投資額などを考えると簡単に撤退を決断できないことも多く、ズルズルと経営を続けて赤字を膨らませてしまう可能性もあります。

 

不動産を月極駐車場として活用している場合は、契約者との契約解除などの手続きを進める必要がありますが、家と違って駐車場を見つけるのはそこまで難しくないので大きなトラブルになる心配もあまりありません。もちろん、だからと言って契約者の意向や都合を無視して撤退を押し進めることはできないので、数ヶ月前から誠実に撤退を説明し、契約解除に応じてもらえるようにしておきましょう。

 

最後に、駐車場経営は不動産の老朽化や災害による損害が少ないという点も挙げられます。駐車場は基本的に土地を貸すことになるので、建物のように老朽化するという事がありません。老朽化したとしてもアスファルトやフェンス、コインパーキングで利用する機器といった周辺設備だけです。

 

これらのメンテナンス費用はかかりますが、賃料がほぼ立地に左右される駐車場経営の場合は老朽化によって収入が減ることもないので大きなリスクはないのです。災害についても、そもそも建物がないため倒壊や火事といった心配も少ないのです。

 

デメリット

不動産投資には、どんなに安全に見える投資であっても多かれ少なかれデメリットも存在します。他のあらゆる物事でも同じですが、メリットばかりを見て夢を描くのではなく、きちんとデメリットにまで注目して危機管理することが大切なのです。駐車場経営を行う場合のデメリットとしては、リスクが小さいために相対的にリターンも小さくなってしまうということが挙げられます。

 

基本的に、不動産投資はハイリスクハイリターン、ローリスクローリターンが鉄則となります。

 

ハイリスクローリターンでは投資する意味がありませんし、ローリスクハイリターンな投資があれば誰でも億万長者になっているでしょう。駐車場経営の場合は、土地活用という面で考えれば最大限に土地を活かした運用が出来ているとは言えません。マンション経営などと違い、税金面での優遇措置などを受けることもできないので、長期的な目で見るとこの点もデメリットだと言えます。

 

不動産としての土地は、それぞれあらかじめ利用できる広さが決まっています。投資家であればこの広さを最大限に活用して最高の利益を叩きだすことを目的としているのですが、駐車場経営は土地を面で利用するため、マンション経営のように高さを活かすことができないのです。タワー型の大型駐車場などであれば高さを活用することもできますが、一般的な平面駐車場であれば広さあたりの収益率は格段に低くなってしまいます。もちろんマンション経営と駐車場経営は不動産投資として性質も投資額も違うので一概に収益率を比べることはできませんが、1つの土地を同じ期間運用するという視点で見ると、運用効率が低くなってしまうのが事実です。

 

さらに、税金面での優遇を受けにくいという点もデメリットの一つです。マンション経営の場合、住宅用地として固定資産税を軽減したり相続税評価額の軽減措置などを受けることができます。節税対策の方法として活用する人も多いのですが、駐車場の場合はこういった様々な優遇を受けられないため、税金をそのまま支払わなければならないのです。駐車場経営では不動産として土地を所有しているため固定資産税を全て支払う必要がありますし、相続が発生した場合にもまるまる税金が課せられてしまいます。

 

中には駐車場を舗装することで小規模宅地と判断され、評価減を受けることができるケースもありますが可能性としては低いので過度の期待は禁物です。また、近年はリスクの低さから駐車場経営が人気を集めているため、狭い範囲にいくつも駐車場が作られている地域もあります。このような場合は供給が需要を上回ってしまったり、周辺の駐車場と同じくらいの料金設定にしなければ利用してもらえなくなり、ただでさえ低い収益率がさらに悪くなってしまうリスクもあります。

 

こういったいくつかのデメリットも確かに存在するので、実践する前に全て検討しておくようにしましょう。

 

駐車場経営のリスクとは?

不動産を駐車場経営する場合のデメリットは上述したとおりですが、デメリットとは言えないまでも起こりうるリスクを考えることも大切です。リスクによっては経営に悪影響を及ぼすこともあるので、万全の対策を取っておく必要があります。

 

起こりうるリスクの中で最も多く面倒なものが、主に利用者に関する人的トラブルです。程度は小さいながらも災害による舗装のひび割れなどのリスク、相続する際の影響リスクなどもあるので覚えておきましょう。

 

利用者に関するリスクとして多いのは、敷地内での接触事故などです。あくまでも利用者同士のトラブルではありますが、巻き込まれないためにも敷地内での事故には一切責任を負わない旨を看板や契約書などで通知しておきましょう。もちろん、これは駐車場側に過失がないことが大前提であり、適切な管理をしていなかったために事故が起きた場合は責任を負う義務があります。

 

また、契約者と近隣住民との間でトラブルになった場合も、静観しているのではなく仲裁に入るといった行動を取ったほうが良いでしょう。利用中の車上荒らしや無断駐車などの犯罪を防ぐためにも、定期的に巡回して異常が無いかチェックすることも大切です。

 

災害リスクに関しては、地震による液状化や地割れの他、豪雨などによる水没や土砂崩れなどが考えられます。経営に支障が出るほどの災害は稀ですが、万が一被害を被った場合に備えて保険に加入しておくなどの対策も必要です。ハザードマップなどを確認し、自分の駐車場が危険区域に含まれていないか確認しておきましょう。

 

また、月極駐車場にしている場合であれば賃料の滞納リスクも挙げられます。賃料の滞納はどんな契約や不動産投資でも起こりうるものですが、契約時にどんなに慎重に審査したつもりでも、人柄や誠実さまでは審査できないので発生のリスクは常にあると言えます。審査の際に少しでも怪しいと感じたら契約を断るか、受けるにしても保証人を立てたり保証会社に加入してもらうなど対策を取っておきましょう。不動産の管理を管理業者に委託するのであれば、賃料の回収まで業務の一環として行ってくれる業者を選ぶのも一つの方法です。

 

最後のリスクとして、不動産を相続する場合の資金不足も考えておかなければなりません。駐車場は税制面での優遇をほとんど受けられないため、相続税評価も高めになってしまいます。相続した人が相続税を支払えない可能性もあるので、事前に所有者が相続税対策まで気を配っておくと良いでしょう。地価の低い地域であれば基礎控除で何とかなることもありますが、他にも資産を持っていたり地価が高い地域で駐車場経営している場合は要注意と言えるので、財産全体の評価も調べてトータルで判断する必要があります。

 

ちなみに相続税の納付は相続から10ヶ月以内に行わなければなりませんが、相続税の資金不足で駐車場ごと売ろうとしてもこの期間内では難しいこともあるので、資金の準備は十分に行っておく必要があります。

 

まとめ

このように、不動産を駐車場として活用する際には様々なポイントを理解しておくことが大切です。

 

まずメリットとしては、駐車場経営はマンション経営などと比べて初期投資も少なく、維持費もほとんどかからないため投資額が非常に少なくて済みます。一度舗装したり整地してしまえば、あとは掃除などをして管理していけば良いので、維持管理にかかるコストや手間も抑えることができます。

 

自分で管理できない場合は管理業者に掃除や巡回などの雑務を委託することもできるので、利用者さえ集まってくれればほとんど不労所得と言っても良いくらいの投資になります。

 

一方のデメリットは、リスクが小さい代わりにリターンも小さいという点です。土地を平面的に利用するため、マンション経営のように高さを活かして収益率を上げることができません。土地を最大限に有効活用して収益を上げているとは言えないので、投資としては難しい判断になります。

 

さらに、土地には建物が存在しないため固定資産税などの軽減措置を受けることができず、税金の支払額が大きくなってしまうこともあります。災害や利用者とのトラブルなど小さなリスクも存在するので、メリットだけでなくこういったデメリットまできちんと理解しておくことが重要です。

 

駐車場経営は、立地さえ良ければ常に満車になるほどの需要も得られます。需要が高ければ高いほど収益率も手堅くなっていくので、リスクの小ささを考えれば驚くようなリターンを得られるケースもあります。初期投資の低さやリスクの小ささから不動産投資の初心者が最初に手掛けることも多く、将来的な活用方法が決まっていない土地を活用させたい時など、取りあえず投資を始めてみたい時にも最適な活用方法だと言えます。

 

一般的な立地ではそこまで大きなリターンは見込めませんが、仮に失敗したとしても投資額が小さいために損害額も抑えることができ、撤退しやすいという点も初心者に好まれるポイントです。市街地や観光地など、車で移動する人が多い場所では必ずと言って良いほど駐車場の需要があります。マイホームなど1つあればそれで需要が終わるものとは違い、車は1台あっても様々な場所に駐車する可能性があるので需要が常に多いのも駐車場経営が増えている理由の一つです。

 

ただ、近年は都市部を中心に交通網が非常に発達してきており、車を持たなくても移動が楽にできるようになってきました。カーシェアリングなども普及しつつあり、若者を中心に車離れが進んでいるとも言われています。このため、安易に土地を駐車場にするのではなく、本当にその立地で十分な需要が見込めるかといった調査を行ってから実践することが大切です。

 

手軽さが最大の特徴と言える駐車場経営のメリットを最大限に活かすためにも、十分に下調べを行うようにしましょう。

 

月極にするかコインパーキングにするかなど、駐車場経営の方針やプランニングをサポートしてくれる業者もあるので、悩んだ場合は相談してみると良いでしょう。