月極駐車場経営の収入・費用と利回り

月極駐車場経営の収入・費用と利回り

 

現在、使っていない土地を活用して、少しでも収入につなげたいと考えている方も多いのではないでしょうか。一方で、大きな投資は行うことなくできるだけ安定した収益を上げたいと考えている場合は月極駐車場の運営を一つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

 

月極駐車場の場合は、他の活用方法に比べて初期投資が少なくて済むことから、仮に収益が十分に上がらない場合でも途中でやめることが容易なことも手軽に活用したいと考えている方のニーズに合うものだと考えられます。月極駐車場経営を考えている方は様々な点を検討することが重要です。

 

利回り計算と参考になるサイト

月極駐車場の料金には大きなばらつきがあります。

 

例えば、郊外・地方では数千円程度が相場となっていますが、都心のエリアの場合には5万円以上するケースも多くあります。また、月極駐車場の価格は狭いエリアの中でも比較的大きな差が出やすいことも特徴です。実際、同じ市町村内にも関わらず大きな格差が生じる場合もありますし、特に商業が盛んなエリアに近づくと高くなる傾向をもっています。

 

このような事情から、平均的な賃料を求めて利回りの計算を行うこととします。まずは地域別の平均的な賃料がどの程度かを確認する意味であれば駐マップというサイトを参照してみるとわかりやすいでしょう。駐マップのサイトのトップページからエリアを選択すると平均的な賃料相場が表示されますので、ある程度の相場を見たい場合には便利といえるでしょう。

 

なお、地域の絞り込みを行うこともできますが、ここでの月極駐車場の平均賃料には登録がなされている駐車場の全ての平均となりますので、相場と差が生じやすい機械式も含めた月極駐車場の平均賃料となっていることに注意する必要があります。また、上記の通り、地域の中でも月極駐車場料金の相場に差があることも注意が必要です。

 

その他のサイトとしては、カーパーキングというサイトを利用すると平面式の駐車場の平均賃料を都道府県レベルで確認をすることができますし、最低賃料と最高賃料についても確認をすることが可能です。以下の利回り計算についてもカーパーキングのサイトを参考としています。

 

利回りの計算方法としては様々ありますが、まずは一番単純な方法といえる表面利回りを確認します。表面利回りは、初期にかかる費用を分母、最大の賃料収入を分子とするシンプルな計算方法で算出可能です。

 

例えば、8台が駐車可能で月の賃料が10,000円の駐車場を作るのに200万円を投資した場合は表面利回りは次の計算で出すことができます。

表面利回り=(8台×10,000円×12ヶ月)÷200万円×100%=48%。48%となる場合には、1年間で96万円の収益となり、2年でこの場合には192万円の収益が最高で見こまれることから、順調な駐車場経営ができた場合には2年で駐車場経営のために投資した200万円を回収することができますし、その後は大きく収益を出すことができるといえます。

 

このように、利回り計算をし、どの程度の改修見込みがあるかを考えた上で駐車場経営は行うことが重要といえるでしょう。駐車が可能となる台数を変更することや、賃料を変更することで、現在持っている土地を駐車場にした場合にどの程度の利回りが見込まれるかを確認することができます。

 

表面利回りを見ながら、月極駐車場として土地を活用することでどの程度の収益を上げることができるかを考えることができます。

 

駐車場にどのくらい投資するかで決まる

月極駐車場の経営にあたっては、その土地がどの都道府県やエリアにあるかによって大きく利回りが変わることを理解しておくことが重要となります。

 

例えば、土地の広さが200㎡ある場合には自動車が8台から10台程度駐車は可能となりますが、賃料はエリアによって大きく異なるため、エリアごとに資産をした結果を参考にするとよいでしょう。

 

なお、標準的な200㎡よりも狭い土地の場合には利回りを少し低めに設定し、逆に広い土地の場合には利回りを高めにすることで、駐車場運営のために必要な工事投資額の単価さを吸収した計算をすることができます。

 

東京の場合は、平均的な賃料としては、27,000円程度となっていますが、舗装方法により大きな差があります。

 

未舗装のロープ区画を採用する場合には、初期投資費用は376,200円と安く済ませることができますので利回りとしては700%程度を見込むことができます。

 

一方、アスファルト舗装の場合には1,111,000円程度初期投資費用が発生するため、利回りは236から292%程度にとどまります。

 

さらに初期投資費用が膨らむコンクリート舗装(1,771000円)の場合には148から183%程度の利回りとなります。

 

なお、愛知の場合は、平均的な賃料としては、11,513円程度となっていますので、未舗装のロープ区画を採用する場合には264から331%程度の利回りを見込むことができます。

 

一方、アスファルト舗装の場合には利回りは101から124%程度にとどまります。

 

コンクリート舗装の場合には63から78%程度の利回りとなります。

 

また、大阪府の場合は、平均的な賃料としては、15,903円程度となっていますので、未舗装のロープ区画を採用する場合には365から457%程度の利回りを見込むことができます。

 

一方、アスファルト舗装の場合には利回りは139から172%程度にとどまります。

 

コンクリート舗装の場合には87から108%程度の利回りとなります。

 

なお、地方の場合にはさらに平均的な月極駐車場の賃料は下がり、8,162円程度となります。この場合には利回りも低くなるので未舗装のロープ区画を採用する場合には206から258%程度の利回りを見込むことができます。

 

一方、アスファルト舗装の場合には利回りは79から97%程度にとどまります。

 

コンクリート舗装の場合には49から61%程度の利回りとなります。

 

このように、初期の投資費用がアスファルト舗装やコンクリート舗装の場合には高くなるため、表面利回りは低くなりやすい傾向を持っているといえます。

 

東京都や大阪府などの土地の空きが少ないエリアでは月極駐車場料金の平均賃料も高くなる傾向が強いので、表面利回りも地方に比べて高めの数値となりやすいことが特徴といえるでしょう。

 

駐車場経営にかかる初期費用

月極駐車場経営にかかる初期費用として未舗装の更地の不動産を前提とした上で、そこから月極駐車場を始めるまでに必要な費用を初期費用としています。

 

まずは月極駐車場の整備に投資する金額次第で利回りが決まることから、初期投資の予想を立てることから始めるとよいでしょう。

 

まず、舗装のための費用が掛かります。車は重いため、地盤を補強することが必要となりますので、土を削り取り、その上から砕石を敷き詰めて転圧する工事を行います。 整地費用としては掘削、残土処分費に加えて砕石実費や敷き詰めること、転圧費用が含まれます。

 

まず、土を削り取る度合ですが、10cm程度は必要と考えるとよいでしょう。この前提であれば、土地の広さ×0.1m³の土が発生しますし、掘り起こした土は空気を含んで増えることから、残土量はさらに体積としては増えるため、1.2倍程度で換算することが重要です。

 

掘削は機械で2,000円/m³程度 、残土処分は5,000円/m³ 以上はしますし、残土量を1.2倍換算することから、6,000円/m³は見込んでおくとよいでしょう。続いて砕石には、4tダンプで運ぶと3,000円/m³程度、10cm程度敷き詰める場合には、石が地盤に食い込む分を考慮してみると、砕石も1.2倍となり3,600円/m³で見込むとよいでしょう。ここまでで掘削200円/㎡+残土処分600円/㎡+砕石実費360円/㎡=1,160円/㎡の費用が掛かると考えておくとよいでしょう。

 

この他の費用として石を敷き詰めたり、転圧の費用がさらに掛かることとなります。重機の使用料・回送費合計6万円くらいがさらにかかるものと見こまれます。この場合の合計費用として292,000円程度となります。

 

これはあくまで例ですので、条件が変わると費用は上下することとなりますが、土地が狭くなるほど単価は高くなると考えておくとよいでしょう。

 

未舗装のときは、駐車するためのエリアを区画するために、ロープを使用することが多くあります。このロープは50円/m程度、固定するためのペグは200円/本程度です。業者に依頼する場合、作業員が2名、材料費を入れて50,000円程度見込まれます。

 

アスファルト舗装では、駐車場の場合には5cm程度の厚さとなるため土を掘削して砕石でならし、アスファルトを舗装します。したがって、そのため、掘削が深くなり、費用が増加します。したがって、掘削300円/㎡+残土処分900円/㎡+砕石実費360円/㎡=1,560円/㎡ 程度が発生すると見込んでおくと良いでしょう。

 

最終的には4,000円/㎡~5,000円/㎡が相場といえます。また、コンクリート舗装の場合の相場は同様の整地費用等を含むと7,000円/㎡~8,000円㎡程度となります。加えて、アスファルト舗装やコンクリート舗装では、白い区画ラインを引くことや車止めなどの費用が必要ですし、歩道を切り下げて道路との出入口を作る工事に数十万円程度必要となります。

 

ランニングコストを含めた利回り

実際に収益がどの程度となるかを考えるにあたっては、最初に紹介した表面利回りだけを見ていては意味がありません。

 

表面利回りの場合には、上記で紹介した駐車場経営を始めるまでに必要な初期費用と、満車時の賃料収入から求めていますが、稼働率やランニングコストも実際には考慮することが月極駐車場経営を行う上では必要となるからです。稼働率とランニングコストを含めた利回りを、「実質利回り」と呼んでいます。

 

まず、稼働率の面から考慮していくとよいでしょう。月極駐車場の場合、人気のエリアの場合であっても常に満車で運用できるわけではありません。仮に半分空車とした場合には稼働率は50%になります。また、固定資産税などのランニングコストも毎年不動産に対してかかってきます。

 

これらは状況によって上下幅があるため、表面利回りでおおよその目安を把握しておくことも一定の意味はありますが、実質利回りは表面利回りよりも大きく下がってしまうリスクがあることを理解しておくことが重要となります。

 

表面利回りの場合は、満車時賃料収入÷初期費用×100%の式で求めることができますが、実質利回りの場合には、((賃料収入×稼働率-ランニングコスト)÷初期費用×100%の式となります。この式で言及されている月極駐車場経営のランニングコストとしては次のようなものが考えられます。

 

まず、固定資産税や都市計画税がかかります。土地のような不動産を所有している限り、毎年市区町村から課税されることとなります。固定資産税と都市計画税の税額はそれぞれ固定資産税納税通知書をみることで確認することができます。

 

ここで重要なこことして、元々所有している不動産が空き地であれば大きな問題ではありませんが、もともと戸建て住宅が建っている土地を月極駐車場として活用しようと考えている場合は注意が必要です。戸建て住宅の固定資産税は最大1/6の軽減が適用されていますので、前提を考慮して計算する必要があります。

 

当然のことながら、最低でも年間の月極駐車場の賃料収入が不動産の税額を上回らないと収益になりませんが、月極駐車場の賃料収入は地価と必ずしも連動しないため、地価が高い地域ほど実質利回りを下げる傾向があります。

 

そのほかの税金として事業税・所得税・住民税なども考慮する必要がありますし、事業者として確定申告が必要です。また、賃料の回収や清掃などの業務を専門業者や不動産会社に管理委託する場合には委託料をコストとして考慮する必要があります。その相場としては、賃料の5%程度と考えておくとよいでしょう。

 

このほかにも補修費用が中長期的には発生します。未舗装の場合は砂利の追加やロープの張り替えが必要となりますし、アスファルト舗装の場合も摩耗、コンクリート舗装もひび割れの補修が必要となります。もっとも、補修費用はが新規の工事費より低いため、都度対応できる費用といえます。

 

まとめ

月極駐車場の経営は、不動産の活用方法としてポピュラーな方法の一つです。

 

実際、初期投資が少なく済ますことができますし、なかでも舗装を行わない場合には200㎡で数十万円程度の初期投資で行うことができますし、アスファルトやコンクリートで舗装をした場合にも数百万円程度で済ませることができますので、ビルやアパートなどの不動産を所有することに比べると初期投資は非常に小さいものといえるでしょう。

 

加えて、利回りは比較的高くなりがちです。もっとも、アパートなどの不動産を賃貸経営する場合に比べると収入は少なくなりがちなことも特徴といえるでしょう。

 

このようにローリスクなことが月極駐車場経営における大きなメリットといえるでしょう。

 

なお、前述の通り注意したいこととしては、利回りが高いからといって、必ずしも収入が多くなるというわけではないという点です。利回りはあくまで投資した費用をどの程度の期間で回収することができるかを確認するための指標です。したがって、利回りが多いから収入が多くなるとは限らず、収入の多さは同じ利回りの場合には初期費用とランニングコストの大きさに比例することに注意しておきましょう。

 

このように、月極駐車場は空き地をそのまま遊ばせておくよりは不動産活用の方法として非常に良いことには変わりがありません。コストをあまり大きくかけることもなく、転用がしやすい月極駐車場経営は、不動産を活用する方法としては誰にでも行いやすいことからも不動産活用に興味を持たれた方の活用方法の第一歩として魅力的なものといえるでしょう。

 

月極駐車場を経営する際には、住んでいる都道府県エリアや立地条件によって平均賃料相場が大きく異なることを理解した上で、どの程度の収益が見込まれるかをシミュレーションすることが重要となりますので、比較できるサイトも活用しておくとよいでしょう。また、土地の広さによって初期投資額にも差が生じるため、初期費用の相場感についても把握しておくと計画と実際でのかい離が大きくなることを防ぎやすくなります

 

特に舗装などにかかる初期費用だけではなく、固定資産税や事業税などの税金がどの程度かかるかは個別の事例により変動することを考慮した上で、どの程度の費用が見込まれるかをきちんと理解しておく必要がありますし、中長期的には駐車場経営においても補修費用が発生します。

 

途中の収益から補修費用を捻出することを計画するのであれば表面利回りの数値だけではなく、実質利回りがどの程度となるかも合わせて検討しておくことをおすすめします。

 

月極駐車場の経営はローリスクで比較的始めやすいからこそ、情報収集をしっかりと行い、納得できるリターンが安定的に生み出せるように準備をした上で始めていくとよいのではないでしょうか。