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山林の売買を過去の事例から見て現代の相場と税金はどうなっている?

 2018/06/19 農地と山林の土地活用術  

山林の売買を過去の事例から見て現代の相場と税金はどうなっている?

 

日本の山林において、その58%が私有地となっています。つまり、日本の山林の約6割がいずれ子へ、孫へと相続されていくことになりますが、その中には相続後の処分に困るというケースも少なくありません。すでに近年でも地方や田舎に山林を所有しているものの、その土地活用方法を見いだせないまま何もせずに放置しているといったケースはたくさんあります。

 

不動産において山林の土地の地価は非常に安価なため、よほどの広さでない限りは固定資産税も安くすむため、気にせず放置している人も少なくありません。しかし、それでもいつか処分するのであれば今売買することを検討するのも一つの選択肢です。

 

山林の売買には特別な許可も必要なく、買い手がいれば不動産売買が成り立ちます。しかし、特別な許可はありませんが山林特有の問題があり、簡単に売買できないことも少なくありません。山林の不動産売買において問題や相場、税金などを確認してみましょう。

 

山林売買の大きな問題

山林の土地は、宅地や雑種地に比べて広大で地価が安価という特徴があります。そしてこの特徴は不動産の売買において問題になることもあります。山林にも他の土地と同じように登記簿があり、法務局によってほかの不動産と同様に管理されています。

 

少し違う点としては、登記簿上の公募面積と実測面積が異なる場合があるということで、これは元々山林の土地は広いため、その分誤差も大きくなってしまうからです。

 

平地においても、公募面積と実測面積に差があるケースは意外とたくさんありますが、公募面積の方が小さいと本来広い土地を狭い土地として売買することになるので売主が損をすることになり、逆に実績面積の方が小さいと狭い土地を広い土地として売買するため買主が損をしてしまうという事になります。

 

そのため、公平な不動産取引を行うために平地の不動産売買においては、境界を明確にしたうえで事前に測量を行う事がほとんどです。しかし、山林の場合はその広大さによって測量には多額の費用がかかり、隣の敷地との境界が曖昧なケースも珍しくないため、測量を行っても費用対効果が得られません。そのため、山林の土地取引においては公募面積での売買となる事が通例となっています。

 

山林の不動産取引の問題として、売買市場が成熟していないという問題もあげられます。物の流通や売買において、どんなものでも売り手と買い手の総数が少ないと市場が活性化せず、大きな規模にもなりません。山林の売買はそれほどさかんに行われているわけではなく、私有林の一部が売りに出されているといった程度にすぎず、売り手も買い手も少なく市場は成熟できていません。

 

市場規模が小さいという事は売買したくても不動産取引が成立しない、つまり簡単には売れない土地であると言えるでしょう。

 

また、相場が不安定であることも問題の一つです。山林の不動産売買においては、交渉によって成立するという特徴があり、取引が少ないことから相場が不安定で、売買価格は投資者次第という一面があります。

 

売主も買主も条件がより良い取引相手を探したいはずですが、取引件数があまりに少ないため、相手が見つからない事も珍しくなく、売主の方が買主の価格交渉に屈する傾向があり、高く売りたくてもより高く買ってくれる買主を探したり、より高くかってもらうための交渉を有利に進めるといったチャンスがないのが現状です。

 

山林の土地価格は生育している樹木の種類によっても変わることがありますが、その樹木の種類が地価と連動しないこともあって、相場の把握はますます困難となっています。他にも山林の土地の価値に影響する要素として、林道に接しているかどうかという点があります。平地の土地の価格と同じで、林道に接している土地の方が価値が高くなります。

 

山林売買の斡旋サービスの活用

山林の売買には特有の問題がありますが、それでも少なからず買いたいと考える人がいるからこそ価格が設定されたり、小さな規模ではありますが市場が形成されたりしています。

 

売買を検討する際には、所有している山林に対してどれくらいの需要があるのか確認するのが望ましいのですが、山林の場合は平地の土地に比べて需要の把握は困難です。そのため、山林の売買にあたっては、所有している山林が属している地域の確認と、その地域の売買の傾向を把握しておく事がポイントとなります。

 

一口に山林と言っても、宅地に近い山林から、行き来が不便な奥深い山林まで、
様々な地域に分布しています。

 

山林の地域は4つの区分で分類されています。

  1. 都市近郊林地で、市街地近郊地域に属し、付近の宅地化に影響を受けるのが特徴で、土地の価格は高い傾向にあります。
  2. 農村林地で、農村部の周辺に属する、いわゆる里山に該当する山林で、土地の価格はやや高い傾向にあります。
  3. 林業本場林地で、林業の中心になっている地域に属しており、土地の価格はやや低い傾向にあります。
  4. 山村奥地林地で、奥深い山に位置し、行き来が不便な山林で、価格は低い傾向にあります。

 

つまり、比較的市街地に近い都市近郊林地から、離れていく毎に農業林地、林業本場林地、山村奥地林地へと広がっていくことになります。そして市街地から離れるにつれて比例して土地の価格も低くなります。また、市街地に近い順に市街化区域、市街化調整区域、非線引き区域・準都市計画区域、都市計画区域外といった都市計画区域に基づいた分類方法もあります。

 

市街化調整区域までは投資を目的とした法人が参入することもありますが、都市計画区域外においては使途不明の個人による購入や林業目的の法人による購入が多い傾向があります。また、外国人が日本の山林に投資するという動きは以前からあるため、仲介業者が購入したり、転売目的で業者が購入するというケースも存在しますし、他にも公用目的や事業目的の購入も存在します。

 

売りたい人が買いたい人を見つけたり、買いたい人が売りたい人を見つける事が困難な山林の土地売買ですが、そういった山林の売買のために、全国にある森林組合や森林組合連合会の中には斡旋サービスを行っている場合があります。全国的規模ではなく、それぞれの組合の管理下にある地域の山林の取り扱いに限られますが、閲覧する人は山林の購入を検討している可能性が高いので一定の効果が見込めると言えます。

 

また、民間によって運営されている山林バンクというホームページがあり、日本ではあまりない山林売買の仲介をしています。山林バンクに登録しても売れる保証はありませんが、何もしないよりは売れる可能性が高いと考えられますし、売られている他の山林を見る事でその価格などを参考にすることができるというメリットもあります。

 

山林売買の相場

不動産取引において、山林の売買は宅地や雑種地に比べて取引自体が少ないため、相場が形成されにくいと言えます。

 

しかし、過去の事例の統計をまとめる事で、ある程度の山林の取引における傾向や相場を知る事が可能です。

 

あくまで過去の事例の統計にもとづいた価格であるため、実際に同じ価格で所有している山林を売買できると保証できるものではありませんが、参考程度に過去の事例による相場を紹介します。

 

山林全体でとらえる場合では、過去の事例では一坪100円未満という安価な土地もあれば一坪10,000円以上にもなる高価な土地もあり、その価格に影響を与える要素として地域性がとても重要となりますし、宅地を含む山林の場合などはその評価額も大きく変わってきます。しかし、ほとんどの土地の場合は一坪1,000円以下での取引となっており、全体の半分以上を占めています。

 

過去の事例による具体的な相場としては、都市近郊林地の場合ほとんどは1㎡あたり1,000円~4,999円での取引が中心となっていますが、1㎡あたり500円から999円や、1㎡あたり5,000円以上となることも多く、宅地化などの影響により大きく価格に差が出ています。

 

買主の傾向としては1㎡あたり500円を超える高価土地の場合は個人以外の買主による購入が多くなるという傾向があります。

 

農村林地では半分以上が1㎡あたり300円未満というケースが多く、高値となった事例でも1,000円未満となることがほとんどです。

 

価格の安さもあり、買主が個人である場合が多いという傾向があります。林業本場林地では大半が1㎡当たり100円未満となっており、個人以外では1㎡あたり300円~499円となる事が多く、安価な山林の買主は個人であることが多いという傾向があります。

 

山村奥地林地においては、林業本場林地と同様で1㎡あたり100円未満という事例が大半を占めており、高くても1㎡あたり300円未満ですが、買主が個人ではない場合は過去には1㎡当たり5,000円となった事例もあり、幅広く分布しているという傾向があります。

 

大まかにまとめると、過去の事例による全体的な山林の地価相場としては、都市近郊林地で1㎡あたり1,000円以上、農村林地は1㎡あたり1,000円未満、林業本場林地と山村奥地林地では1㎡あたり50円未満と非常に安価な価格となっています。

 

また過去の事例における買主の傾向としては、1㎡あたり300円を境に個人の買主と個人以外の買主に分かれており、経済力の面から個人買主の場合は地価の低い農村林地で購入するという事例が多くなっています。

 

また、過去の事例を都市計画区域で分類すると、市街化調整区域の山林は価格が高く個人以外の買主が多いという傾向があり、個人買主の場合は都市計画区域外での取引が多いという傾向があります。

 

山林売買と平地との仲介手数料と税金の違い

山林の売買において、仲介手数料と税金は平地の土地の売買とは異なる点が2つあります。

 

  1. 山林は建物を建てるという目的の土地ではないという点
  2. 山林にはお金に換えることができる樹木があるという点

 

です。
一つ目の建物を建てる目的の土地ではないという事は仲介手数料に関係し、二つ目のお金に換えることができる樹木があるということは税金に関係します。

 

不動産会社が間に入って宅地などの不動産取引を行う場合には一般的には仲介手数料が発生する事がほとんどです。不動産会社への仲介手数料は、土地の用途に関係なく、建物を建てるための土地として取引される場合、宅地建物取引業法の規制を受け、上限が設けられています。そのため、明らかに建物を建てるためであったり現況ですでに宅地を含む土地を含んでいたりする場合は、地目が山林であっても法律によって定められています。

 

売買価格の200万円までに対しては5%、売買価格の200万円から400万円までに対しては4%、売買価格の400万円を超える部分に対しては3%となっています。

 

例えば売買価格が300万円の場合は200万円までの5%10万円と、200万円を超える100万円分の4%の4万円となり、合計14万円という事になります。

 

しかし、これは建物を建てる場合や宅地を含む土地の場合であり、建物が建たない山林や、建物を建てない山林の売買においては宅地建物取引業法の制約を受けないため、仲介手数料についても制限はなく、当事者の契約行為にゆだねられる事になり、手数料を自由に決める事が可能となっています。

 

その金額は固定額でも一定率でも、無料でも法律には触れません。また、建物を建てる目的の購入や、すでに宅地を含んでいる山林の購入であっても、不動産仲介を業としていない者に仲介をしてもらった場合なども法律の規制を受けないため、仲介手数料は自由となります。

 

税金については

  1. 山林所得
  2. 譲渡所得

の2種類があります。

 

山林にもとから生えている樹木は伐採して売買する事も可能ですし、立木として売買する事も可能で、樹木は土地とは別に存在しているものと解釈されます。つまり、宅地で言うと建物が建っている土地を建物ごと売買するのと同じような事です。そのため、山林の売買の際には立木に対する山林所得と土地に対する譲渡所得を分けて考える必要があります。

 

どちらにしても所得があるという事なので確定申告が必要になり、山林所得と譲渡所得それぞれ別に申告しなければなりません。負担するべき税金は山林所得と譲渡所得への税金となりますが、売買契約においても立木部分と土地の部分に分けて売却価格を設けなければ確定申告が面倒になってしまいます。土地の部分に関しては譲渡所得として申告が必要で、平地と同じように譲渡所得が発生すると税金が課税されます。

 

まとめ

山林は木や水などの貴重な資源を保有していますが、宅地や雑種地に比べて用途が限られてしまうという事もあり、取引の際にはその価格は極めて安く取引されているというのが現実です。

 

しかし、かといって自分で管理できるというようなものでもないため、極めて安く取引されるのであっても処分しようと考える人は少なくありません。

 

野菜や果物、鮮魚などを買う際に、籠に盛ってあるものを「一山いくら」という表現があるように、実際の山林においてもその面積や樹木の価値を明確に計測して正確な金額を算出して売買をするといったことはほとんどありません。売る側としてはあまりにも安く買い叩かれると売る気をなくしてしまうものですが、それでも保有していても何にもならないのであれば売買の相手となる買主がいて手放せるうちに手放す方が得策とも考えられます。

 

宅地や雑種地などの売買と違って市場規模が小さく、受動的に待っていて売れるような土地でもないため、マッチングサイトなどを利用して積極的に動き、買い手を探さなければなりません

 

近くまで宅地化が進んでいる場合などは、将来開発が進むことで所有している山林の土地の地価も高くなる可能性があるため、そういった場合は立木だけの売却も一つの選択肢となります。

 

立木として売却する場合、山林所得が発生するケースは取得から5年を超えて立木の部分を譲渡する場合です。取得から5年以内の山林の売買では事業として行っている場合は事業所得、一般の人の場合は雑所得という扱いになります。

 

山林所得は分離課税となっていて、他の所得の税率とは違う税率によって算出されます。

 

しかし山林の場合、相続によって取得するといったケースが多く、必要経費として計上できる取得費などが不明という事も珍しくありません。そのため、特例が設けられており、15年以上前なら特例を適用することが可能です。

 

山林の土地の売買において、山林所得と譲渡所得以外に課税される税金として、売買契約書に添付する収入印紙による印紙税と、登記の際の登録免許税があります。山林の場合は売却金額が安価なため5,000万円以下の取引でも10,000円以下、500万円以下の取引なら1000円以下となるため、大きな負担というほどの金額ではありません。

 

また、登録免許税は買主負担になることがほとんどで、売主が負担する場合でも山林の価格の2%なので、こちらも大きな負担にはなりません。

 

山林の売買には様々な問題があり、簡単には売買できないという事も珍しくありませんし、明確価格の相場もありませんが、過去の取引事例を参考にしたり、山林バンクに登録するというのも一つの選択肢と言えます。

 

そのまま継続して所有しておくのも一つの選択肢ですが、税金も大きな負担になるほど高額になる事は少ないため、買い手がいるのであれば売却するのも良い選択と言えます。

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