空き家をシェアハウスに!運営の始め方とメリットデメリット

空き家をシェアハウスに!運営の始め方とメリットデメリット

 

核家族化が進む日本では、核家族や一家族当たりの子供が昔にくらべて少なくなっていることなどもあり、一つの世帯を構成する人数は減少傾向にあります。そのため、広すぎる家や土地は借り手や買い手がなかなか見つからず、空き家となってしまっている土地も少なくありません。また広い家でなくても借り手が見つからず空き家となっている家、土地も増加傾向にあります。

 

そこで、そんな広い家だからこそできる不動産活用として、空き家とその土地を利用して部屋で区切って人に貸すシェアハウスが増えてきています。

 

シェアハウスに住むのは単身者がほとんどであるため、現在シェアハウスはその半分以上が特に単身者が多い東京都内であり、主に都市圏が中心となっていますが、徐々に全国に広がりつつあります。

 

広すぎる空き家や土地の不動産活用としてシェアハウスを検討する場合、シェアハウス運営の始め方や、どんな種類の物件があるのかを確認してみましょう。

 

ルームシェアとシェアハウスの違い

シェアハウスの特徴は、複数の人が一つの家に集まって生活し、各部屋に独立した家賃が発生する形態で、リビング、ダイニング、キッチン、トイレ、浴室などは共同利用するといった形の賃貸住宅であることです。

 

ルームシェアと形態はよく似ていますが、シェアハウスとルームシェアには明確な違いがあります。

 

そもそもルームシェアの場合は空き家を借りる契約者は一人で、契約者が借りた一つの空き家に対して発生する家賃を一緒に生活する複数のルームメイトが分割して負担するという形です。ルームシェアの場合は空き家の契約は大家と一人の契約者なので、一人で住むか複数人で住むのかは契約者の自由です。またルームメイトも家族や友人、知人であることがほとんどで、一緒に住むルームメイトを選ぶのも契約者となります。

 

その点シェアハウスは各部屋に対して一部屋ずつ個別で賃貸契約を結ぶためリビングやダイニング、キッチン、浴室やトイレは共同利用となりますが、不動産における賃貸契約上では個別の賃借人という事になります。

 

家賃も個別となり、入居者を決めるのも物件の所有者である大家という事になります。そのため、ルームシェアと違って入居者が他人同士という事がほとんどであり、シェアハウスは日本人以外にも人気があるため、価値観や生活習慣、文化、宗教などが違う人が集まります

 

そういった違いから摩擦が生まれたりトラブルになるという事も考えられます。そういったトラブルを防ぐためにも、空き家を利用したシェアハウス運営の始め方として、個別の賃借人同士を管理する体制づくりが必要となります。

 

シェアハウスもルームシェアも、複数の人が広い住居で一緒に生活することにメリットがあります。一人で単身者用の部屋を借りるとワンルームで寝室やキッチンなどの空間に区切りがなかったり、キッチンが狭かったり、コンロが一つしかない、浴室が狭い、脱衣所がない、バストイレが別々ではないユニットバスの部屋も少なくありません。

 

キッチンが広い部屋や設備が充実している部屋、浴室が広い部屋やバストイレが別々の部屋、ダイニングやキッチンが独立した部屋などを借りるとその分家賃も高くなってしまいます。

 

シェアハウスでは他人と共同ではありますが、広いキッチンに広いダイニング、入居者が集まるリビング、独立した浴室と脱衣所とトイレ等がありながら、契約している自分専用の個室もあるという魅力があります。

 

シェアハウスのコンセプトを決める

空き家を利用したシェアハウスは少しずつ増えていく中で、住居としての役割を果たすだけでなく、住居+αの部分を求める人のニーズに合わせて様々な種類に発展してきました。住居+αの部分を求める層はとても多く、シェアハウスの始め方として事業者は先にコンセプトを決めて運営をするというケースが多くなっています。

 

その+αとなるコンセプトの分類は数えきれないくらいたくさんあるため、シンプルに住居としての役割のみのシェアハウスとして運営するのか、+αにあたるコンセプトを持つシェアハウスとして運営するかは経営者の判断によるところとなっており、シェアハウスの運営の始め方としてまず最初に決めなければならない事となっています。

 

住居としてのシェアハウスを運営する際には、女性限定か男性限定という形が多い傾向にあります。他人同士が一緒に生活するため、プライバシーや風紀が乱れやすいといった問題から男女混合では支障が生じる可能性が高いためです。しかし、一人暮らしに対してセキュリティなどの面で不安があるという女性は多いので女性限定の物件には一定のニーズがありますが、男性にはそういったニーズは少ないため、男性限定の物件はニーズが少なく女性限定の物件に比べるとその数は僅かとなっています。

 

こうした住居としての役割だけでもメリットはありますが、コンセプトを持ったシェアハウスには、さらに様々な特色があり入居者にとってメリットとなります。シェアハウス運営の始め方として最初にコンセプトを持たせるかどうか、どんなコンセプトを持たせるかを決める必要があります。

 

例えば漫画家を目指す若者を対象としたトキワ壮プロジェクトなどがいい例で、エンジニア、建築関係、芸術関係、起業家など、共通点を持つ人を対象にしている物件もたくさんあります。同じ趣味や共通の分野に興味がある人が集まることで互いに刺激し合ったり意見を交換し合うなどのメリットが生まれ、さらに同じ分野に興味がある人を呼び込むというメリットもあります。

 

他にも、国際交流や語学の勉強を目的としたさまざまな国籍の人が集まる物件や、農業用の土地もある体験農業付きの物件、シングルマザーが集まりお互いの育児を支援し協力しながら生活する物件、フリースペースで定期的にイベントを開催する物件など、様々なコンセプトのシェアハウスが存在します。入居者の興味のある分野に特化したシェアハウスがあれば、住居としての役割だけでなくたくさんのメリットがある魅力的な土地活用と言えます。

 

シェアハウスを経営するメリット・デメリット

空き家をシェアハウスとして運営するにはメリットとデメリットがあります。もちろん、一般的なマンションや戸建ての賃貸運営にもメリットとデメリットはありますが、空き家を利用したシェアハウスの場合はそのメリットもデメリットも一般的なマンションや戸建の賃貸運営よりも幅が広く、大きなメリットと大きなデメリットを抱える土地活用と言えます。

 

メリットとしてまずは総収入が上がるという事が挙げられます。一軒の家を一組の借り手に貸す場合の家賃よりも、部屋ごとの割安な料金でも複数の人に貸す総家賃の方が収入は多くなり、土地活用においての費用対効果も高くなります

 

また空き家を一軒丸ごと一組に貸す場合はその一組が退去してしまうと空室になってしまい収入が得られないという空室リスクがありますが、空き家を複数の人に部屋ごとに貸し出すシェアハウスでは誰かが退去してしまっても、他の入居者が住んでいる限り家賃収入を確保することができます。不動産経営において空室があっても収入が得られるというのはとても大きなメリットとなります。

 

さらに多目的なニーズがあるというところもメリットの一つとなります。一般的なマンションなどの賃貸ではなくシェアハウスを希望する人は、単に居住することが目的というわけではなく、旅行や出張、出向などで一時的、短期的な利用を希望している人や、他の入居者との交流を目的としている人など、一般的な賃貸住宅ではかなえられないニーズを持っている人がほとんどです。

 

一方でデメリットもあり、その多くはメリットと表裏一体です。特にシェアハウスにおいて避けられない問題というのが入居者の間でのトラブルです。価値観や生活習慣などが違う他人同士が同じ家で生活するため、トラブルは避けられませんが、定期借家契約によってそのトラブルを最小限に抑える事が可能です。

 

複数人がともに生活するとなるとその分クレームなどの対応や、設備の管理も大変になります。入居者が協力して解決してくれれば良いですが、それができないようであれば大家として対応しなければなりません。

 

他にも入居者となるターゲットが限られてしまうというデメリットもあります。シェアハウスの利用は基本的にそのほとんどが単身者で、若い世代や外国人が特に多い傾向にあります。外国人においては観光やビジネスで日本で生活する人は年々増加していますが、日本人は面識のない人との交流に消極的という傾向があるため、不安に感じシェアハウスという形態を受け入れられないという人も少なくありません。

 

シェアハウスを経営するにあたって必要な条件とは?

シェアハウス運営によって不動産活用する場合、始め方として最初に個人の居住空間となる独立した個室と入居者同士で共有するキッチンやダイニング、リビング、浴室、トイレ等の共用部分に対して投資が必要になるケースもあります。

 

個室は7.5㎡から12.5㎡ほど、畳で言えば4畳半から8畳弱の広さというケースが多くなっており、キッチンやリビング、ダイニングも生活空間となるため、個人の部屋の広さはあまり重視されないという傾向もあり、物件によって7.2㎡以下でも成立しているケースもあり、あまり問題になる事はありません。

 

しかし、シェアハウスに対してのアンケートによるとそのまま住みたいと希望している人が多いという結果もあり、ベッドやクローゼット、エアコン、インターネット環境などが備え付けられた物件の人気が高いという傾向があります。

 

初めて親元を離れる人や短期的な契約をしたい人にとっては身一つで入居できて家具や家電などの大きな出費を抑えることができるシェアハウスはとても魅力的です。ただし、寝具に関しては他人が使ったものは嫌だと感じる人も少なくないため、用意するのはベッドだけにして布団を持ち込んでもらうか、退去の度にクリーニングに出すか新品を用意するといった配慮も必要です。

 

また、他人が集まって生活するシェアハウスにおいては個室の鍵も必要です。個室の鍵がないとセキュリティの面でも不安に感じられますし、盗難などのトラブルがあった際には入居者同士のトラブルにも発展してしまうため、鍵は必要不可欠です。シリンダー錠では入居者ならばピッキングが可能になってしまうので、カードキーや電子キーを採用できればシェアハウスにおいては大きな魅力となります。

 

入居者全員で共有する部分に関しては設備の質が物件の良し悪しを左右するとも言えるほど重要な部分となります。実際のシェアハウスの物件紹介の写真などにも共用部分を写した写真が多くなっています。共用部分の設備に関しては、入居者が他人同士であるという事を踏まえて整備する必要があり、満室時の人数によって複数用意しなければならないものもあります。

 

例えば、冷蔵庫や炊飯器、電子レンジ、コンロは5人に1台はあった方がいいと考えられますし、トイレも複数用意するべきでしょう。その間取りに関しても、用便中の音が聞こえにくいように配慮が必要です。また、お風呂も時間が集中するため複数あるのが理想で、難しい場合はシャワールームだけでも増設するのが望ましく、もちろん脱衣所には鍵が必要です。

 

シェアハウスの経営の始め方

シェアハウスの始め方として、まずするべきことはターゲットにする性別や年齢、コンセプトを決める事です。個室を確保して奇麗にリフォームするだけでもシェアハウスとして不動産活用することは十分可能ですが、それだけではよくあるシェアハウスにすぎません。

 

限られた予算の中で、共用部分の設備にお金をかけるのか、セキュリティを厳重にするのか内装や外装のデザインにお金をかけるのかなど、どこを重視してどこにどれだけお金をかけるのかはターゲットによって変わってくるため、先にターゲットを決めておくことで、どんなに人にとって住みやすいシェアハウスになるのかをはっきりさせることが可能です。

 

ターゲットに応じたリフォームの次は、物件の入居者を募るために物件の情報発信をしなければなりません。シェアハウスを専門に扱うサイトを利用すると便利です。問い合わせ、入居希望が出てくると次は物件の案内や賃貸契約となります。仲介業者と契約するのも一つの方法ですが、シェアハウスには低価格を求めている入居者も多く、敷金・礼金や仲介手数料があると敬遠されがちです。どちらもメリット・デメリットがあるため、経営者の判断となります。

 

空き家を利用したシェアハウスにおいても、一般の賃貸経営と同じようにその管理を自身でするか外部に委託するかで運営方法が分かれます。管理委託にはお金がかかりますがその分手間は省けるため、物件が近くでもコストと手間を考えて面倒な事を避けたいという場合にはメリットがあります。

 

自分で管理をする場合、シェアハウスの共用部分の管理は大家の仕事となります。一般的にアパートやマンション経営であれば月に1~2回の外周りの清掃でも十分ですが、シェアハウスの場合入居者によっては内部の清掃を頻繁に行わなければすぐに汚れたり散らかったりしますし、ゴミ出しも大家の仕事になるためかなり頻繁に管理に訪れなければなりません。

 

他にも、他人同士が一緒に暮らすシェアハウスでなるべくトラブルを少なくするためルールを決めたりそのルールを周知する必要があります。

 

管理を委託する場合は、一般の賃貸物件の管理と異なり管理委託料は10%から20%必要になるケースもあり、収益性が高いシェアハウスにおいても大きな出費となる上、管理会社がなかなか見つからないこともあります。シェアハウスの運営会社が管理業務を行っているという場合もあるので、管理を委託したい場合は運営の始め方として最初に管理委託できるところがあるか確認してみると良いでしょう。

 

まとめ

トラブルが多そうであることや、管理委託料が一般的な集合住宅の場合よりも高額となるなどの理由から、空き家となっている不動産活用の選択肢としては、シェアハウスは敬遠されがちであるという傾向があります。

 

しかし、それでも年々数が増えて様々なコンセプトを持ったシェアハウスが誕生しているという事は、それだけ需要がある分野であるという事を表しています。

 

広すぎるなどの理由で一軒の家を一組の借り手に貸すという形ではニーズがなく空き家となってしまっている物件だとしても、シェアハウスであれば入居者が集まる可能性があります。

 

シェアハウスの場合は、一般の賃貸住宅と違ってその土地の立地が多少不便などのウィークポイントがあっても他にはないコンセプトなどでメリットを感じ、入居を希望する人は少なくありません。

 

ただし、空き家のリフォームや設備の増設などの投資においては一般的な戸建ての賃貸に比べてコストがかかるため、空き家のシェアハウス運営の始め方として、費用対効果をよく検討してから始めなければいくら家賃収入が高く収益性が高いシェアハウスでもうまくいかない場合の損失はとても大きいものになってしまいます。

 

また、家族で生活する中でもプライバシーやセキュリティが重要であることは事実ですが、一軒の家で一つの家族が生活するのとシェアハウスでは、プライバシーの保護やセキュリティの重要度は大きく違ってきます。他人と住むという事をしっかりと踏まえたうえで入居者の視点で設備を考えなければなりません。

 

また、シェアハウスという不動産経営においてはほとんどが定期借家契約という形での賃貸契約となっており、その理由の一つに契約が終了した時に再契約をしない事でトラブルを起こす入居者を退去させるという目的があります。

 

シェアハウスではほとんどの場合1年未満という短期の契約となっており、普通借家契約と比較して家賃相場が安くなってしまうというデメリットがありますが、複数の部屋から家賃収入を得られる事で不動産活用による収入としては十分とも言えるため、リスク回避としても有効な定期借家契約は必須だと考える方が良いでしょう。

 

シェアハウス運営の始め方として、シェアハウスとして利用できるようにリフォームしたり設備を整えたりする必要がありコストがかかりますが、入居者が見つからず空き家となっている家でも家賃収入が得られる可能性があるので、空き家の不動産活用を模索している場合には選択肢の一つとしてシェアハウスも検討してみると良いでしょう。