空き家の維持方法と火災・地震保険による対策について

空き家の維持方法と火災・地震保険による対策について

居住用として利用している住宅や土地の場合は現在の状態について把握がしやすく、もし異常があれば、すぐに対応ができます。しかし、住居としていない空き家などの不動産の場合は、なかなか訪れる機会がなく、どのような状況になっているのかわからないこともよくあります。

 

仮に空き家や土地になにかあっても、すぐには問題点をつかめずに、そのままやり過ごしてしまうケースもあるでしょう。後で情報が入り、その時になってようやく対処をするなんてことになりかねません。

 

できれば、日ごろから空き家の状況をチェックしておくのが理想的です。近隣や自治体から非難されないためにも、注意すべきポイントがあるので、しっかり頭に入れておきましょう。

 

月に一度は換気をする

居住者のいない空き家は、窓の開け閉めをする人がいません。そのために、空気がこもってしまい、湿気がたまって、じめじめします。その湿気が温度条件と重なると、カビを発生させたり、柱や土台を腐らせてしまったりすることがあります。それらを防ぐ意味でも、換気が非常に重要です。

 

家がどの程度密閉状態かにもよりますが、風通しが悪ければ、1か月に1回は換気。よければもう少し回数を減らしてもいいでしょう。ただ、風通しがいいからといっても、かえって湿気が風に乗って入ってくるという面もあるので、あまり回数を抑えすぎるのも考え物です。

 

換気の仕方

窓などはすべて開けておきましょう。一つや二つの窓を開いただけでは、十分な換気は行われません。風の流入口と排気口を確保する目的もあるので、できるだけたくさんの窓を開ける必要があるのです。

 

窓だけではいけません。換気口も開き、換気扇も回し、空気を思いっきり流さなければいけません。そのためにも、電気が通じていないと困るので、電力メーカーとの契約は切らないほうがいいです。

 

各部屋の換気はこれで何とかなりますが、押し入れ・クロゼット・靴箱、床下収納所などは密閉されたままです。これらの場所も空気の入れ替えを行い、カビやにおいのもとを断ちましょう。

 

掃除も定期的に

 

空き家のような不動産は掃除をすることがあまりないので、ほこりがたまり、虫の死骸などもあちこちに見られます。風通しがいいと、そのほこりなどが吹き上がることもあります。しかし、どのくらいの期間掃除をしなかったら、どれくらいの汚れがたまるのか、正確に知る方法はありません。

 

だから、必ずしも頻繁に掃除をしなくてもいいとも考えられるし、これくらいの回数をしなければいけないという尺度があるわけでもありません。ほこりなどが蓄積するのには一定の時間も掛かります。

 

それらのことを含めて結論を出すと、換気を含めて1か月に1回くらい掃除をするのが好ましいでしょう。虫の死骸は気持ちが悪いものですが、ことさら薬剤などを使わなくても、箒で掃いたり、掃除機で吸い取ったり、雑巾で拭けば、かなり駆除できます。

 

ただ、あまりにも多くの虫の死骸がたまっているときは、特に丁寧に掃除をする必要があります。虫の死骸を放置しておくと、生きた虫がその死骸を食べて、養分にします、それがさらなる虫の発生へとつながるのです。したがって、虫の死骸はなるべく片づけて、きれいにし、虫害から空き家を守るようにしなければなりません。

 

水の管理

水道を止めてしまう

水が完全に出ないようにすれば、水道料金を払う必要がなくなります。これはこれでお得なのですが、デメリットもあります。封水がなくなってしまうのです。

 

封水は、排水経路の途中で、下水管からの悪臭などを防ぐ役割をしています。これがなくなってしまうと、下水管のガスがもろに部屋に充満するのです。

 

また、水道を止めてしまうと、掃除やトイレの時も不便です。寒い地方では、封水を抜いたり、不凍液を封水代わりに利用して、凍結予防としています。

 

水道を止めない場合

このケースは、封水が維持されるので、悪臭は部屋に入ってきません。水道管も水が流れることで、汚れやさびが付きません。掃除やトイレにも使えます。

 

ただ、水道料金は支払い続けることになります。寒冷地では、凍結という問題も出てきます。水道管などが破裂したら大変です。そのための対策として、ヒーターをつけることもできますが、電気がなければ動きません。

 

浄化槽が設置されていたら

水道を使わなければ、浄化槽の清掃をして、止めれば大丈夫です。水道を利用し続けるのなら、定期点検が必要です。

 

それから、浄化槽にはブロアという機械がついています。汚れを分解する微生物に酸素を送り込む装置です。電気が来なくなると、このブロアが止まり、微生物が死んでしまいます。そうなれば、汚れの分解ができず、嫌なにおいがこもります。

 

害虫や害獣の格好の住み家!

空き家には人の出入りがないので、動物や虫にとっては快適な住処になります。

 

ざっと挙げるだけでも、猫、カラス、ネズミなどから、シロアリ、スズメバチ、ハエ、蚊、ゴキブリ、ムカデまでありとあらゆる種類が空き家やその土地を思いのまま利用するのです。アライグマやハクビシンまでもが住み着きます。あまりいい防止策はなく、食べ物になるようなものを置かない、侵入口を封鎖するなどしか手がありません。

 

結局、入り込んでから取り除くしかないのです。そのために、燻煙剤などで害虫を殺したり、殺鼠剤のような毒のエサで害獣を駆除したりしますが、これもそれほど効果的とは言えません。

 

スズメバチや害獣などの場合は、素人では手に負えないこともあるので、専門家の力を借りなければならないでしょう。費用が掛かりますが、致し方ありません。

 

シロアリ対策

シロアリの怖さはいうまでもありません。放っておけば、家が使い物にならなくなります。もしシロアリが発見されたら、すぐ退治業者に連絡を取る必要がありますが、できれば前もって防蟻対策を講じておきたいものです。

 

シロアリの発見が遅れて、近所に迷惑が及ぶと、駆除費用を請求されることもあるので、事前の対策は非常に重要です。

 

ゴミの不法投棄

空き家だから構わないと思うのか、その土地などにごみを勝手に捨てていく人がいます。それを放置しておくと、さらにごみを捨てる人が後を絶たなくなり、大事な不動産がごみ屋敷と化してしまいます。しょうがないので、管理人の手で始末せざるを得ません。

 

この処理だけでも大変ですが、もう一つ周辺の土地の雑草の駆除や草木の剪定にも手を付けなければなりません。自分でやるのは骨が折れるので、専門業者に依頼することも多いのですが、そのための費用を準備する必要が出てきます。また、庭木が隣家まで飛び出ていると、法律上や環境上もややこしいことになるので、何とかしなくてはいけないでしょう。

 

抜本的な対策をするなら

ごみの投げ入れを防ぐ手立てはありませんが、雑草や庭木なら根本から解決する方法があります。

 

まず、庭木はいちいち剪定するよりも切り取ってしまったほうが余計な手間がかからなくて、後々楽です。庭の手入れも定期的にはできないでしょうし、害獣や害虫の繁殖防止の観点から言っても、このほうが都合がいいです。

 

雑草については、除草剤を使えば簡単に駆除できます。防草シートという手もあります。土を掘り起こしたところに敷けば、雑草防止効果を発揮します。上から、砂利などを敷き詰めて利用します。

 

郵便局の郵便物

空き家に郵便物が届いては困りますから、郵便局に転居届というものを出します。この手続きを踏めば、郵便物は空家へは配達されずに、新しく引っ越していった家に送られます。

 

期間は1年間ですが、もう少し延ばしたければ、再び転居届を提出することになります。また、広告やチラシなどは、空き家であるかないかの如何を問わずに投げ込まれてしまいます。これだけは防止策がありません。

 

厄介なのは、これらのチラシなどがたまっていくと、外から見ただけで、その不動産が空き家だと判明してしまうことです。そうなれば、災いを呼び込むことも考えられます。勝手に土地や内部に侵入されて、荒らされたり、ごみをどんどん投棄されたり、火をつけられたりと面倒なことになる場合があります。

 

空き家が新居から比較的近ければ、時々訪ねて行って、チラシを取り除くのがいいでしょう。もし可能なら、近所の人にお願いして、処分してもらいましょう。大事なものならば、保存をしてもらい、後で手渡ししてもらうか、回送してもらってください。とにかく、郵便ポストに余計なものがたまってしまうと、見た目の印象も悪くなりますから、できるだけすばやく対処する必要があります。

 

雨戸を閉める

空き家の雨戸を閉めるべきか開けておくべきか、悩む人も結構います。閉めておくと、1日中人の出入りがない空き家であることがばれてしまいます。そのために悪さをされるのではないかという心配もあります。

 

ところが、雨戸を閉めておいたほうが防犯という点でも意外に効果があります。泥棒のほとんどは窓から入ってくるので、雨戸をこじ開けるということはありません。暴風雨などの自然災害から窓を守る役割も果たしてくれます。

 

雨戸以外にも、センサー式ライトのように人の動きを感知して灯るライトを設置しておくと、窃盗などを防ぐ目的にかないます。玄関というのは目立つ場所で、窃盗犯も侵入時にはとても緊張しています。センサーライトがあると、おいそれとは近づけなくなるのです。

 

歩くと音がする砂利を周囲の土地に敷き詰めるとなお一層防犯効果があります。近所の人が気付けば、通報してくれる可能性もあります。雑草予防効果も期待できるので、一石二鳥です。

 

防犯カメラを設置したり、ホームセキュリティ会社と契約したりすることもできますが、空き家にどこまで費用を掛けるべきなのか、それぞれに事情があるので、よく考えて決めてください。

 

施設賠償責任保険

火災・地震保険に加入していれば、不動産が風害、雪害、水害、地震などの自然災害時に補償されます。

 

空き家などの不動産でも火災・地震保険には入れるのです。

 

そうはいっても、空き家の場合は、火災・地震保険に加入するとしても、通常の居住用の不動産としてではなく、事業用の物件となります。そのため、居住用不動産よりも、火災・地震保険料が割高です。仮に、隣家や他人に損害を負わせた場合は、火災・地震保険ではなく、施設賠償責任保険というものに入っていなくてはいけません。

 

具体的な対象は、屋根がはがれて飛んでいき、隣家を傷つけたとか、壁が崩れて、通行人を負傷させたとか、庭木が倒れて、自動車が壊れたなどの場合です。

 

火災・地震保険にしろ、施設賠償責任保険にしろ、利用する機会がなければ、それに越したことはありません。保険料が掛かっただけのことです。火災・地震保険などは何か問題が起きた時には、非常に役立つものですが、空き家にそれだけの費用をかける価値があるのかどうかは、人それぞれの判断です。でも、できれば空き家には火災・地震保険料などは掛けたくないというのが本音でしょう。

 

そうはいっても、何らかの責任のある過失が生じると、損害賠償を支払ったり、恨まれたりすることもあります。だから、火災・地震保険はもとより施設賠償責任保険へ加入していても、悪くはありません。

 

外部の点検

空き家を訪れるのは、換気や清掃、郵便ポストの中の不要なチラシなどの処分などのケースが多いですが、できれば空き家内部や周りの状態もチェックしましょう。

 

雨漏りやカビによる腐食

雨の日でないと点検しにくいですが、天井の隅や壁などに、水が流れた形跡があれば、雨漏りの恐れがあります。カビが壁にびっしり発生していたら、内部が相当腐っている可能性もあります。

 

 

水漏れ

水が出るのなら、一度流してみましょう。水漏れ箇所が発見できる場合が多いです。

 

住居にしていた時分に水漏れがなく、出て行ってから漏れ出すということがあります。それは、長い間水道を使わなかったので、パッキンが乾ききってしまい、傷んでしまったのだとも考えられます。それだけなら、交換は簡単です。

 

外壁の割れ目

外壁に髪の毛のような細いひび割れが入る現象をヘアクラックといいます。この程度なら、さほど問題ではありません。しかし、内部まで達するようなひび割れの場合は、補修の必要があります。方法はシーリング材などの充填です。

 

点検ついでに、近所との意思疎通も図っておいたほうがいいでしょう。定期的なチェックをしている証拠にもなるし、どこかが壊れたり、事件などがあれば、伝えてくれることもあるからです。