太陽光発電の土地貸出について

太陽光発電の土地貸出について

「野立て」と言われる空地を利用した太陽光発電は、新たな不動産活用として注目されている方法の一つです。

 

住宅地として利用することの難しい土地や、賃貸などで利益を生み出すことのできない土地などの有効な活用方法として挙げられるものです。この太陽光発電は日照だけで行うことができるため、自身で設備投資をして運用することも比較的楽であるのも利点のひとつ。

 

では、この太陽光発電に適した土地とはどのようなものなのでしょうか。また、利益の面からの太陽光発電の方法や利点とはどのようなものがあるのでしょう。

 

太陽光発電に適した土地

太陽光発電に適した土地として挙げられる条件は4つ。

 

  1. そのうちのまず1つ目が、「障害物が周囲になく、日当たりの良い土地」であることです。太陽光発電は日照時間に比例して発電量が変わるため、この日当たりの良さは必須となるもの。南は必然的に太陽の高度が高い位置にあり、日照量は多くなるものですが、東側や西側は太陽の高度が低いため、大きい建物や山、木などで比較的陰になりやすくなってしまいます。

     

    このため、周囲にはできるだけ建物などがない土地が適していると言えるでしょう。

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  3. 2つ目に挙げられるのが、「積雪量や落葉などが多すぎない土地であること」です。

    山間部などの土地利用において注意しなくてはならないのがこの点。周囲の樹木からの落葉などが多すぎると、太陽光パネルに積もることもあり、発電量が低下する恐れがあります。

     

    また、積雪が10センチ以上になると著しく発電量が低下する原因にもなるため、日照量と同時にその土地の一年間の積雪量にも注意することが大切です。

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  5. 3つ目は「送電用の電柱が近くにあること」

    太陽光発電では発電した電気を送電する必要があるため、送電設備があることが必須となります。その土地の近隣に電柱があればその電柱を利用することで送電設備にかかる投資金額を少なくすることが可能となりますが、電柱等のない場合には全てを太陽光発電を行う事業者の負担で作ることになります。

     

    このことから初期設備投資を少なくするためには、近隣に電柱などがあることも好条件の一つとなるのです。

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  7. 4つ目に挙げられるのが「整地のためのコストが少ない土地」です。

    太陽光発電には、発電パネルを多く設置する必要がありますが、このパネルを固定する架台がしっかりと据えつけることのできる土地であることが大切。

     

    据えつけまでに多くの伐採や整地を必要としない土地であることが太陽光発電用の土地として好まれる条件となるでしょう。

 

金銭的なメリット・デメリット

 

太陽光発電で土地活用をするには、自分で太陽光発電を運用するパターンと事業者に土地貸出して収入を得るパターンが考えられます。

 

 

土地貸出して土地活用するパターンであれば、年間の売電金額に対しての一定額を収入とすることもできるため、初期投資がほとんどいらない状態で安定収入を見込むことが可能。土地を持っている以上、必須となる固定資産税を差し引いても利益を上げることができるでしょう。

 

また、契約の内容によっては土地貸出する場合において貸主側が整地費用などを負担することもありますが、その経費も地代として計上することが可能となり、最終的には持ち出しとはならずに済む場合がほとんどです。

 

また、この太陽光発電での土地貸出では民法上での賃貸借となるのもメリットのひとつ。建物を賃貸する場合と違って、借主よりも貸主が有利であることは大きな魅力でもあるでしょう。

 

一方、デメリットとして挙げられる大きな点が、この利益の面でもあります。土地貸出による収入と、売電による収入では明らかに売電による収入の方が利益が大きいもの。自分で太陽光発電を運用するのには、設備投資というハイリスクはあるもののほとんどの場合が10年で回収することが可能であり、利益的にはハイリターンとも言えるものです。

 

そのため、土地貸出による収入はローリスク、ローリターンとも言え、長期的な運用益を考慮して判断することが必要となるでしょう。

 

また、太陽光発電は設備投資を回収するのに最低で10年は必要であり、設備投資金の回収後に運用益を上げていく事業内容となるため、民法上許される範囲である20年以上に渡る契約となるものであることがほとんど。賃借契約においてもこの年数は考慮するべきこととなるため、最低でも20年はこの契約が障害にならないかどうかを考えることが必須となります。

 

自分の土地と比べて見て下さい

太陽光発電による不動産活用を考えた場合、その土地の地目は適している場所かどうかの分かりやすい目安ともなります。中でも地目が「宅地」であれば、以前にその土地には建物が建っていた経緯があるため、送電線も近くにあり、太陽光発電を考えるにも最適な土地と言えるもの。その他の地目では何かと注意するべき点があるため、考える材料とするべきでしょう。

 

「農地」が地目である場合には、転用するのに許可が必要であり、許可が下りなければ土地貸出もすることはできません。また転用許可が下りた場合にも、発電パネルを設置するための強固な地盤にするための改良が必要となる場合が多いものです。

 

また、「雑種地」「原野」が地目である場合にも発電パネルを設置するための足場がしっかりと固定できるかどうかを調べることが必要。その結果、必要となれば土地改良を行うことが必須となります。

 

地目が「山林」である場合には樹木が日照を遮ってしまう場所であることが多いため、樹木の伐採を行わなければならない土地であることが多くなります。その場合、無許可で伐採は行うことができないため届出や許可が必須。また、斜面などがあり造成が必要となった場合、その工事が1ヘクタールを超える場合には開発許可を申請して着手することとなります。

 

以上のように地目が「宅地」以外ではほとんどの場合注意点がある上、発電した電気を送電するための設備を設置することも考えなければいけません。この設備は土地貸出の場合であっても借主が出資して設置することがほとんどとなるため、出資の金額がどれほどになるかの大きな目安となります。

 

送電設備を設置するのに、あまりにも金額が大きくなりすぎたり困難であることは、太陽光発電の設備自体を手控える原因ともなるので、考慮する大きな項目となるでしょう。

 

地代の決め方

地代の決め方については、固定資産税や地価から決められた一定率の金額、そして発電の売電金額の一定率による金額などの方法がありますが、どのような方法であっても貸主と借主双方が合意することによって自由に決定することができます。その中でも基準となるものに土地1平米あたり150円という平均値がはじき出されており、参考ともなる金額となっています。

 

例として挙げてみると1500平米の土地で年間発電量が100500キロワット、買取金額が1キロワット当たり34.56円とした場合、年間売電金額は3473280円

 

この金額を1平米辺りの金額にすると3473280円÷1500平米で2315円になります。

 

この1平米あたり2315円の売電価格に対して、地代の150円が妥当なものか調べるのに、150円が売電価格の何パーセントに当たるかどうかで判断することとなり、この場合であれば売上の6.48パーセントが地代。目安となる地代は売上の3パーセントから10パーセントと言われているので、この場合であれば適正と言える金額でしょう。

 

しかしこの例の場合には地代として年間に225000円を受け取ることとなりますが、この金額が固定資産税よりも低い場合には考え直すことが必要。

 

固定資産税の金額を基本とした地代をはじき出す場合には、税額の3倍から5倍が妥当な金額と言われているため、この税額から出した金額と1平米当たりから出した金額、どちらが利益的に妥当なのかを考えた上で交渉することが大切です。

 

このような計算方法で出される地代ですが、一般的に太陽光発電の利回りは10パーセントと言われている中、地代としての支払い分が利回り分の1パーセント程となる金額で借主が納得するかは別問題。お互いが納得できる金額を話し合った上で取り決めることが大前提となるものです。

 

まとめ

雑草対策などの管理が必要ではありますが、遊んでいる不動産をうまく運用して利益を上げるのに最適である太陽光発電。土地を持っている以上必要となる固定資産税を捻出するためにも良い方法とも言えます。

 

特に土地貸出という手段であれば、煩わしさもリスクも少なく手軽にできる土地利用の一つとも言え、事業資金がなくとも取り掛かれる一つの事業とも言えるでしょう。しかし太陽光発電を自分で設置することによって運用して上げられる利益は、貸出によるものよりも10倍程が見込めるとも言われています。

 

また平均20年以上と、長い期間土地を他人に貸出することを考えると、相続などの問題も考えなければならず、そのためには事前に家族の都合や同意を得ることも必要となります。その点から見ても土地活用は可能であれば貸し出すのではなく、太陽光発電を自分で始めてみることがおすすめです。

 

太陽光発電は基本的には宅地などの地目でできるだけ近くに電柱があり、近くに太陽光を遮るものがなければ一番安価な設備投資が見込めるもの。宅地や建物を建てるなどして人に貸し出すのに不利とも言える交通の便の良くない田舎などであっても、日照量さえ確保できれば好条件な土地であると言えるでしょう。

 

ただし、土地や環境によっては造成やフェンスなどを立てることを考えなければならないので、かかる金額は様々。

 

また、太陽光発電の設備プランにも色々なものがあり、それによって質、費用がそれぞれ違うものです。そのため、太陽光発電を自分で運用してみる際には、どれくらいの期間で設備投資の資金を取り戻すか、そして、どれほどの利益を見込みたいのか、固定資産税はもちろん、メンテナンスにかかる経費等を聞くなどして、工事の見積りを依頼することが必要でしょう。

 

太陽光発電は長いスパンでの土地活用でもあるので、資金面、計画などをしっかりと練っておくことが後々の長い安心にも繋がります。