市街化調整区域の売却について

市街化調整区域の売却について

都市計画区域は、市街化区域と市街化調整区域に線引きされる場合があります。

 

市街化区域は市街化を積極的に推進する地域であるのに対して、市街化調整区域は市街化を抑制する区域です。

 

市街化調整区域で土地を売却するには、地域の特性を知ると共に、この分野に詳しい不動産業者の協力を得る必要があります。公共性のある施設利用であれば、建築の道が閉ざされているわけではありません。

 

建物を建てるのが難しい場合でも、太陽光発電での利用や資材置き場等に活用する道もあります。市街化調整区域の土地は意外な使い道があります。

 

市街化調整区域の売却の特徴

市街化調整区域における不動産の売却は、買い手次第のところがあります。

 

原則として建築ができない場所でも、建築審査会の審議を経て、建築が許可される場合があります。通常、市街化調整区域の土地に目をつけて、開発を試みるのは企業です。企業が行政や政治に働きかけて、本来は許可の下りそうのない場所の積極的活用を提案し、許可を勝ち取って開発が進みます。

 

市街化調整区域の土地の売却は、買主側から申し込まれるケースが目立ちます。市街化調整区域での不動産の流通は多くはありません。農地の売買は農地法により制限されており、取引はめったに行われません。農地以外の場所も、建築制限がかかるので、一般的に売買は不活発です。

 

建築制限のある土地の売却価格は、低く抑えられます。

 

買主が建物を建てようとした場合でも、銀行の融資が付くかどうかはわかりません。不動産の売却においては、銀行の融資が付かなかった場合は解約できる特約を付けることを条件とする買主もいます。売主にとっては不利な状況の下での売却が迫られますが、元々売れないと思っていた土地が売れる場合があることで、希望が持てます。

 

土地を始めとする不動産の売買は、売主と買主の合意により成立します。農地で無い限り、そこに行政が介入する余地はありません。

 

市街化調整区域内の土地の売買は自由です。建物の建築は難しい市街化調整区域でも、他の地域にはない利点があります。市街化調整区域は必ず、市街化区域と隣接しています。市街化区域はすでに建物が密集し、開発の余地がない場合は、新たな開発用地して市街化調整区域に目が向けられます。

 

実は、市街化調整区域の中にも比較的建築のしやすい場所があります。市街化調整区域は全ての都市計画区域に指定されているわけではありません。指定された時期も自治体によりまちまちです。

 

多くの地域では、昭和45年ごろより市街化調整区域の指定が始まりました。建築の制限は、市街化調整区域が指定される前に、すでに建築物が建築されていた地域では、一部が免除される決まりになっています。そのような地域は買主にとっても活用が可能で、取引が行われる可能性があります。

 

さらに、自治体によっては市街化中世区域の中に地域を定めて、建築を許可している場合もあります。市街化を抑制する目的で制定された市街化区域ですが、地域の発展にとって必要な場合は、自治体は制限を緩和する場合があります。

 

市街化区域と隣接する市街化調整区域は、地域の発展と経済的な事情により、規制の緩和が起こりやすい地域でもあります。市街化調整区域の不動産売却の特徴をまとめると、建築制限があり、売却の難しい地域ではありますが、民間企業の開発努力や、地域の発展のための行政の方針変更により、売却の可能性が生まれやすいと言えます。

 

この地域での売却活動は、地域に詳しい不動産業者の協力を得ることが必要となってきます。

 

売主として把握しておきたい内容

市街化調整区域に不動産を所有し、売却を考えている場合は、市街化調整区域とは何かについて、知っておく必要があります。

 

都道府県知事は都市の総合的な整備等のために、都市計画区域を定めることができるとされています。さらに、都市計画区域を、市街化を積極的に推進する市街化区域と、市街化を抑制するための市街化調整区域に区分することが出来るとされています。市街化区域は、市街化の抑制を目的としてつくられている地域といえます。

 

そのため、農林漁業のための施設やその従事者及び以前から暮らしていた住人のための住居以外の建物の建築は制限されます。一方、市街化調整区域内では、一定の条件のもとで、開発行為が許可になります。開発行為とは、主に建築物を建てる目的で行う、土地の区画形質の変更を言います。

 

市街化調整区域内で認められる開発行為には、公益上必要な施設の他、周辺住民の日常生活に必要な、物品の販売・加工・修理などを行う店舗や事業場の建築があります。住民の日常生活に必要な物品の販売や加工に必要な施設の建築は、開発行為により認められる可能性があるという事です。さらに、地域内にある鉱物資源や観光資源の有効な利用上必要な施設の建築は認められます。

 

また、市街化区域に隣接し、50以上の建築物が連続して建っている地域内の一定の開発行為も認められます。

 

 

市街化の抑制を目的とする市街化調整区域ですが、地域住民の生活に配慮した規制の抑制が行われています。また、市街化調整区域内の開発行為では、都道府県が市街化の促進の恐れがないと認めた場合は、一定の条件で開発行為が認められます。

 

売主として把握しておきたい内容には、購入希望者の金融機関からの借り入れの難しさがあります。通常、不動産を購入する場合は、金額が多額であることから金融機関からの借り入れを行います。金融機関は、事業性と担保の価値を基準に、融資を行います。市街化調整区域の場合は、事業性はともかく、担保価値が低い場合場多いため、融資を断られるか、金額を抑えられることがあります。

 

不動産の購入希望者は、土地などの物件を購入できる目途をつけてから金融機関との交渉に臨みますが、計画が進んでいる途中で、融資を断られる場合があります。金融機関との交渉では不動産の取得が前提とされ、売買契約等の時期が問題となります。場合によっては、売買契約において、ローンが付かなかった場合は解約できる条項の付加を購入希望者から要請される場合もあります。

 

市街化調整区域には、農地も存在します。農地の売買は農地法により制限されています。農地法は農地の安定的な確保を目的としており、安易な売却はできません。農地を売却するには、買主も農民等である必要があるので簡単ではありません。建築物を建てたままの不動産の売却は、市街化調整区域が設定される以前の建物であれば、第三者への売却も可能です。

 

しかし、設定後の建物を含む不動産の場合は、売却相手が所有者の相続人や親族等以外の場合は、用途変更等の手続きがあり面倒です。

 

売却の依頼

市街化調整区域の不動産の売却は簡単ではありません。専門家である不動産業者に依頼することが、売却への早道です。不動産業者の利用にはいくつかの方法があります。不動産価格の相場をつかむには、不動産一括査定サイトの利用が便利です。登録業者は全国規模なので、大手の業者から、地元の業者まで、幅広く利用できます。

 

特に、市街化調整区域で開発が目的の企業は、大手の不動産業者に土地の取得等を依頼する場合も多いので、不動産一括査定サイトの利用により、幅広い範囲からの動向を探ることができます。不動産一括検索サイトは、通常の利用が無料なので利用しやすく、多くの情報が載っているので参考になります。

 

市街化調整区域の不動産を売却する場合は、地元の不動産業者の活用も期待が持てます。地元の不動産業者は地域の情報に詳しく、売却においても役立つ存在となってくれます。不動産の売買は、売主と買主が存在して初めて取引が成立するので、購入希望者の情報は是非とも必要です。

 

地元の不動産業者に売却を依頼した場合は、一定の時間が必要となることもしばしばです。地方での土地取引は、地元の有力者や地主に情報が集まる傾向にあります。不動業者は地元の有力者や地主との関係が深く、日ごろの付き合いの中で、不動産の情報交換も行います。地元の地主は、日ごろから付き合いのある信頼のおける業者でなければ情報を漏らさない傾向にあります。

 

売却の依頼は、地元の有力者や地主との付き合いの深い業者に依頼すると、成功の確率が高くなります。地元から購入者を探すには一定の時間が必要です。売却の意向を持った時点から、長いスパンでの売却計画が望まれます。市街化調整区域の売却では、土地の規模が重要な意味を持ちます。

 

事業者はある程度のまとまった土地を希望することが多く、小さな土地は事業者を相手にした場合は売りにくいといえます。事業者の要求に沿える程度に、まとまった土地を提供する必要があります。単独で広い土地の提供が無理であれば、隣接する土地の地主と連携して、売却活動を行うのが効果的です。その場合はある程度、買主を特定し、買主の意向に沿う形で売却する土地を用意する必要があります。

 

市街化調整区域の不動産の売却では、買主を先に決めることも有効です。購入希望者が複数でない場合は、価格競争により売却価格を引き上げることはできません。特定の事業者へ売却ができるかどうかが取引の分かれ目となります。土地は単独の場合よりも、複数の土地をまとめることで、利用価値が高まることがあります。

 

特に、太い道路と接する大きな土地は利用価値が高くなります。

 

複数の土地をまとめて売却する場合は、買主が使いやすい土地の形態を整える必要があります。敷地が広い道路と接していることは、集客や物流の点でも有利となります。逆に、広い道路と接していない敷地は、利用価値は下がります。市街化調整区域での土地の売却は、その価値を高めることが必要です。

 

まとめ

市街化調整区域は市街化を抑制する区域として、さまざまな規制があります。市街化を抑制するのが目的のため、簡単には開発ができない仕組みとなっています。しかし、市街化区域と隣接する区域でもあるので、市街化区域での開発が手詰まりの地域では、市街化調整区域の開発は魅力的でもあります。

 

市街化調整区域には、自治体により開発がしやすい地域が設定されている場合があります。行政や政治の都合により、規制が変わる可能性もあり、行政からの情報には日ごろから目を配っておく必要があります。市街化区域の不動産の不動産の売却では、専門的な知識を有する不動産業者の活用が望まれます。不動産一括査定サイトの利用は、複数の不動産業者から査定を受けることが期待できます。

 

地元不動産業者の活用も効果的です。地域の情報に詳しい地元不動産業者は、買い手につながる情報を持っている可能性があります。市街化調整区域での土地の売却では、小さく細分化された土地よりも、まとまった大きさの土地が好まれます。

 

購入を希望するのが事業者の場合は、ある程度まとまった土地を希望するからです。単独で広い土地の提供が無理の場合は、隣地の地主との連携により、まとまった土地を提供するのも一つの方法です。土地は広い道路に接していると、利用価値が高くなります。

 

市街化調整区域での土地利用として注目されているのが太陽光発電です。日の当る広い土地は太陽光発電に適しています。建築物に付随しているものでなければ、太陽光発電は市街化調整区域でも規制を受けません。

 

太陽光発電には、設置に必要な条件がいくつかあります。

  • 最低限の地盤の強度
  • 受電、送電のインフラが整っている
  • 一定の資金も必要

となります。

 

太陽光発電に参入する事業者も多く、土地の購入者として期待できます。市街化調整区域の土地利用では、駐車場や資材置き場が考えられます。

 

事業者は広く土地の情報を探しているので、ネットワークへの掲載などにより、情報を流す必要があります。市街化区域などの不動産取引が活発な地域では、売主の要望が通ることも多く、必ずしも買い手市場とはなりません。しかし、需要が少ない市街化調整区域の不動産取引は、買主の意向を尊重しなければならない買い手市場となりがちです。

 

買主の意向に沿う形の土地の提供が必要です。市街化調整区域の不動産取引は、地域内での取引も期待できます。血縁者や知人に売却の意向があることを知らせておくことで、買主が見つかる場合もあります。時期により売却が難しい場合でも、時期をずらせば売却できる場合もあります。

 

さらに、物件によっては不動産業者による買い取りも期待できます。

 

買い取りは仲介と異なり、不動産業者が直接買い取るものです。買い取り価格は仲介の場合よりも安くなりますが、現金化を急ぐ場合は選択肢となります。売価が難しいと言われる市街化調整区域の不動産も、工夫により売却が期待できます。